深い、深い、海には人魚がいると、俺が5つの時にじぃちゃんが言っていた。
じぃちゃんは東京に住んでおらず、海に囲まれた場所にすんでいて、俺はじぃちゃん一ヶ月に一回じぃちゃんの住んでる場所に行く。
そして海で釣りをし、必ずその人魚の話をしてくれる。
じぃちゃんは14つのときに人魚に会ったことがあると言っていた。
人魚は浜辺にうち流されていて、気を失っていたが、とても綺麗だったと言っていた。
じぃちゃんは漁師で一人暮らしをしていた。それで誰にも迷惑をかけないので、自分の暮らしている小さな家にその人魚を抱えていき、自分の寝どころに寝かせたと言う。
人魚は数時間後に目を覚まし、「ここはどこ」と訪ねたと言う。
じぃちゃんは自分の家だと説明すると今度は「わたしはアカネ」と答えたらしい。そのアカネと言う人魚は自分の名前以外は全く覚えていなかった。
じぃちゃんはアカネと言う人魚にいろいろなことを教えてあげたと言う。アカネと言う人魚はじぃちゃんがいろいろなことを教えていくうちに人魚の鰭がだんだん人間の足になっていったと言っていた。
そしてアカネは一人で歩けるようになりじぃちゃんに外に出たいといい、二人で外に出た。
じぃちゃんの小さな家の前には広大な海があり、アカネはその広大な海に見とれていた。じぃちゃんはアカネに見とれていたそうだ。
そしてじぃちゃんは恋心を寄せていたアカネ軽く接吻をしたらしく。その瞬間アカネの身体が薄くなったと言う。アカネは泣き出した、アカネはこうなかった理由を話だしたと言う。
「本当は最初から記憶はあったの、私は貴方と一緒に居たかったからわざと浜辺に気を失っていいるふりをしたの。人魚は人間と居ると人間になれるの。だけど人魚には守らないといけないことが一つあるの。それはね、人間と一緒にいてもいいが、接吻はしてはいけない。」
じぃちゃんは接吻してはいけない理由を聞いたら。
「接吻すると水蒸気になってしまって死んでしまうから」
じぃちゃんは身体中が凍てついたと言う。今、自分が接吻したせいでアカネが消えるから。
じぃちゃんはしりもちをついて口をあけていた、アカネはしりもちをついているじぃちゃんを優しく抱きしめられたらしい。アカネは「死にはしないよ、生まれ変わるだけ」と言い残して消えたらしい。
俺は今、海にいる。そう、じぃちゃんの住んでる場所の海。
じぃちゃんは俺が中学にあがってすぐに天国に行っちまった。すごく泣いた。
俺は一ヶ月に一回じぃちゃんの住んでいた小さな家に行き、一人で一晩止まって東京に戻るのが日常になってる。
じぃちゃんの住んでいた家は意外に住みやすいし、家庭の道具も料理道具もある。あと、家の回りに知っている人達も住んでるので親が行くのを許してくれてる。
そして今、俺は釣りをしている。ここは大きな魚や珍しい魚が釣れるから好きだ。東京だと小さいのしかつれないからつまらない。
夕日が沈んできたので俺はじぃちゃんの家に帰ることにした、浜辺を歩いていたらカモメが何かに群がっていた。俺は大きな魚が打ち上げられたと思い、わくわくしながら確かめにカモメが群がってるところに行った。
俺は「わぁ!!」と大きな声でカモメに叫んだ、カモメは一斉にオレンジ色の空に飛び立った。
俺は身体が固まった。
そこにはかわいらしい顔の女の子がいた。おさげでまつげが長い、だが魚の鰭があった。



あぁ、俺は人魚に出会ってしまった。







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