※会話文が多い



「は?」
「だから、好きだ!」
「いやいやなんでだよ」
子犬事件があった日の瀬戸は南沢の大胆な告白を水のように流し、「バカ!」と大声で叫んでその場から去っていった。
南沢はなんだか少しだけ手応えがあった。瀬戸が「バカ!」と言ったとき瀬戸の顔が真っ赤だったから少しだけ手応えがあったのだ。
次の日の朝、南沢は学校に来て同じクラスの車田に瀬戸について聞いた。
「あぁ、スケバン喧嘩番長の瀬戸か」
「車田知ってるのか?」
「知ってるもなにも有名だぞ」
「へー」
「なんたって大人にまで喧嘩を仕掛けるらしいからな!」
「すげ、恐ろしい奴だな瀬戸て」
「だろ」
「でも、勿体ないよな」
「なにが」
「可愛いのに喧嘩してるなんてさ」
「え」
車田は唖然として南沢を見た。そして車田は少し笑いながら南沢に言った。
「本気で言ってるのか?」
「ああ」
「やめとけよ、瀬戸あれでもモテるんだぜ?可愛いし、元気だし、女子からも人気だし、よく告白されてんだ」
「だからなんだよ」
「それで告白してきた奴はボコボコにするらしいぜ?」
「そんなこと知るか、とりあえず瀬戸のクラス教えろ」
「お前から聞きたいて言ったんだろが。瀬戸は二年*組だぜ」
「そうか、ありがと」
南沢は瀬戸が*組だと聞いて自分のクラスの出入口に向かった。
「おい、どこ行くんだよ」
「*組」
そう言い残し南沢は自分のクラスを出て、二年棟の*組に行った。二年棟に行くと二年の女子が騒ぎだした。それで廊下では黄色い声と女子達で溢れていた。
お分かりのこと南沢はイケメンである。頭も良く、スポーツもできる。ついでに内申もいい。南沢のイケメンオーラで何人の女子が犠牲になったものか。
南沢は瀬戸のクラスの入り口に立ってクラスを見渡した。お目当ての瀬戸はあいにくいなかった。
「なにしてんすか?南沢さん」
「わ、倉間か、驚かせるな。てかなんでここにいるんだよ」
南沢の後ろに同じサッカー部の後輩でFWの倉間が立っていた。
「俺のクラスだからに決まってるじゃないですか、エロ沢さん」
「お前、瀬戸と同じクラスなのか、それよりエロ沢やめろ南沢だから」
「瀬戸は今日遅れてきますよ」
「え、なんでわかんだよ」
「今日金曜日だから」
「金曜日だから?」
「金曜日は先生からのお説教の日なんですよ。ほら良く水鳥て喧嘩するじゃないですか?」
「あ、うん?(そうなのか)」
「一週間に一回は喧嘩するから金曜日にお説教と反省文くらうんです」
「へー」
南沢は驚いていた、一週間に一回喧嘩なんて内申命の南沢には考えられないことだった。
喧嘩なんてしたらどれだけの内申点が引かれることか…と南沢は思っていた。
「あれ、もしかして南沢さん。水鳥のこと…」
「ん、好きだけど」
「うわ物好きですねー」
「別に、瀬戸てモテんだろ?」
「モテるちゃモテてますね」
南沢は瀬戸がモテること確信した。南沢は胸のあたりがザワザワした。なぜ倉間がこんなにも瀬戸に詳しいのか、あとなぜ倉間は瀬戸を名前呼びなのかが気になって仕方なかった。
こんなことを思っていたら感がいい倉間は南沢の考えていることがわかったらしく、ニヤリと笑って話した。
「大丈夫ですよ、南沢さん。俺は水鳥のこと好きじゃありませんから。第一に俺が水鳥のこと詳しいのは小学校が同じで中1のときも同じクラスだったからです。」
「あ…あぁ」
南沢は倉間の感の鋭さに引いた。顔をみただけで考えてることがわかるなんて、流石に二年も一緒にFWしてるからか…と南沢は思った。
「で、瀬戸はいつ来るんだよ」
「それはわからないですね、喧嘩の内容や水鳥の先生に対しての態度で終わる時間が決まりますから」
「じゃあ、だいたいでいいから」
「三限くらいですかね」
「そうか、また昼休みにここ来るわ」
「は?なんで」
「瀬戸に会いに」
「寒気しました」
「殴るぞコノヤロー」





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