優しい


優しい



あついあつい8月の夏にあたしは初めて彼氏ができました。
あたしの彼氏はとてもかっこいいくて背が高くて、頭がよくて、完璧な人です。無愛想だけど、サッカーしているときの彼氏が一番かっこいい。





彼氏と言うのは剣城京介
初めて会ったのは入学式のとき、サッカーを潰しに雷門に来たのがきっかけ。入学式、初めて剣城を見たとき背筋がゾクッときた。
そう、最初わたしは剣城が怖かった。サッカーを潰すことと相手を倒すことしか考えていないあの顔と目がすごく怖かった。室内のサッカーグランドの上の客席10メートル以上は離れて見ていたが身体の震えが止まらなかった。
本当に雷門サッカー部は潰されてしまうのかと思った。そこにあたしの幼馴染みの一人がそのピンチを救った。
剣城が雷門をサッカーを潰そうとしていたのは全て病院にいるお兄さんのためだった。わたしはそれを知って辛かった、悲しかったんだろうなぁと思った。
それから剣城は正式に雷門サッカー部の一員になった、まだみんな剣城を信頼してはいないが。
午前11時わたしたち雷門サッカー部は今、合宿に来ている。そしてわたしは合宿先のサッカーグラウンドにいる。
毎年8月後半になると雷門サッカー部はチーム強化として合宿をしていると神童先輩から聞いた。
わたしはわくわくしていたが雷門サッカー部のみんなは少し嫌なオーラを出していた。それもそのはず、合宿5日間あり午前はチーム練習で、午後からは6時間の地獄のトレーニングだから。
三国先輩は「毎年のことだから気にするな!」と言っていた。
「よし、午前の練習はここまで!」
神童先輩がグラウンドにいるみんなに声をかけた。
みんな一斉に地面に腰をおろした。それもそのはず朝の6時から今の午前11時まで練習をしていたから。
「葵!ドリンクわたしにいくぞ!」
「はい!」
大きな声で水鳥先輩がわたしに言った。わたしは慌ててドリンクが入ったカゴを持ちグラウンドに向かった。
グラウンドにドリンクを持ってくやいなやみんな一斉にドリンクを持っていった。
わたしは周りをキョロキョロした。
「剣城?」
「あ、マサキくん!」
突然後ろから声をかけられた。マサキくんだ。
「剣城でしょ?」
「ぇ、うん…」
マサキくんにはお見通しらしい、最近は天馬やマサキくんから行動や顔で剣城だてわかると言われた。確かにあたしは顔にでるタイプで喜哀怒楽が激しいと良く友達から言われる。
「剣城ならドリンク持ってくるのが遅いて言って水飲み場に行ったよ」
「…」
「葵ちゃんのせいじゃないよ」
「…あたし」
「剣城にドリンク持ってけば?まだ水飲んでないかもよ」
「…うん!」
そういい残してわたしは右手にドリンクをもち水飲み場み向かった剣城のもとに行った。
水飲み場には剣城がいた、あぁ、水は飲んでしまっていたようだった。「…剣城」
「ん?なんだ」
「ドリンク持ってくるの遅くてごめんね」
「今度からもっと早くもってこいマネージャーだろ」
「ごめん!頑張って早く持ってく、えへへ…」
いつもどうりに素っ気ない剣城。自分でもわかってた、わたしは言葉では笑っているつもりだったけど顔は笑っていなかったて。
だけどここで哀しい顔なんてしたら剣城に迷惑をかけてしまう。
わたしは必死に笑ってごまかした。
「あ、ドリンク」
「!」
わたしは焦ってドリンクを背中に隠した。もうバレているけど体が反射てきに隠してしまった。
「よこせ」
「はい?」
「だからよこせっつてんだろ」
「あ、はい」
わたしは背中に隠してたドリンクを剣城に手渡した。もう水分補給はしたはずなのに。
「これてお前が作ったの?」
「…うん」
「じゃあ飲む」
「え、剣城もう水分とったんじゃないの?」
「お前が作ったんなら飲む、それだけ」
そう言って剣城はわたしが作ったドリンクをがぶ飲みし、飲み終わったのかわたしにドリンクを手渡した。
「剣城」
「な、なんだよ」
「顔赤いね?」
「うるせぇ」
わたしはこんな優しい剣城が大好きです。

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