中編 | ナノ

01

―…年後の今日、またここで会おうね…―


「…夢…?」


俺は不思議な夢を見た。

どこかの公園で、一人の女の子と遊んでる夢。

だけど、その公園はどこか懐かしくて。

女の子も、どこかで見たことがあるような気がして―


カレンダーを見た俺は、急いでベッドから降りて、
寝間着から出かける時に着る服に着替えた。


「あれぇ?翔ちゃんどこかにいくんですかぁ?」

「ああ、ちょっと用事を思い出してな」


同室の俺のライバルであり幼馴染でもある
那月が不思議そうな顔をして俺を見た。


「車には気をつけてくださいね」

「わかってるって」


俺は学園の寮の部屋から
飛び出して急いである場所に向かった。



―――――………



「晴れてるなぁ…」


空を見上げると、そこには
雲ひとつない青空が広がっていた。

あそこにいくのも何年ぶりだろうか…
俺はそんなことを考えながら足を運んだ場所は―


―さっき夢で見た公園


「…ん?」


公園のブランコのところに、柄がひとつもない
真っ白いワンピースを着た女がいた。

俺はそいつに近づいた。

足音で気がついたのかそいつもこっちを見た。


『翔くん!!』

「名前…か?」

『そうだよ!久しぶり!!』


夢であった時よりも、ずっと大人っぽく
なってるこいつに、一瞬だけ心臓が飛び跳ねた。


『覚えててくれたんだね!』

「いやあ…」


今朝夢で見るまで忘れてたなんて言えねえ…。



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