中編 | ナノ

03

…はぁっ!やっぱ駄目だ!!

俺は携帯を握り締め、表示されて
いた画面を消そうと電源ボタンを押そうとした。

―…が、

押せなかった。

「あれっ…!?」
「どうしたんだい?…レディの電話番号?」

レンに携帯を取られて、先ほどまで
表示していた画面を見られてしまう。

「ちょっ!やめろばかっ!」
「レディに何か用事でもあったのかい?」

そう言ってレンはニヤニヤしながら俺を見る。
わ、わかってるくせに…!!

俺はメンバーには結婚の話をしてある。
いや、まだするって決まったわけじゃないけど…。

あのシャイニング早乙女にあそこまで
してもらっておいて、やっぱり無しでした、
なんて、シャレにならねえし…。

プルルルルルル…

そんなことを考えていたら、電話から不思議な音が…。

「おまっ!な、何やってん『もしもし?』

レンは俺の携帯で名前に電話をした。
しかも、名前電話に出たし…!!

俺はレンから携帯を奪って電話に出た。

「あ、の、名前か?」
『うんそうだけど…どうしたの?
翔くん声裏返ってたよ?』

痛いとこ突かれた!

「あ、いや…今お前何してんのかなーって」
『何って…家掃除してたけど…』

てか、こんなこと言いたかったんじゃねえよ俺!!
勇気を出せ…!一歩を踏み出せ…!

俺が自分と格闘して少しの間何も喋らなかった
からなのか、名前が話しかけてきた。

『でも嬉しいな』
「…何が?」
『私も、今翔くんの声聞きたいって思ってたから…』
「……………」

…やられた……。

「あのさ…」
『ん?』
「明日会えるか…?」
『仕事は?』
「明日はみんなオフだ」
『うん、いいよ』

俺は時間と場所を告げて電話を切る。

「おや、もう終わったのかい?」
「ああ」


…もう、決心がついた。





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