02
「…ということでした」
「……ありがとな…渋谷…」
私の前には、先ほどの話に出てきた、
RT☆RISHのメンバー、来栖翔。
私は翔ちゃんに頼まれて名前が結婚のこととか
どう思ってるのか聞き出しに行って、成功した。
「翔ちゃん、もしかしてあんた誕生日に
式挙げたいとか思ってたんじゃないの?」
そう聞くと翔ちゃんは体を少しビクッと揺らした。
「…あんた女の子より女の子らしいね」
「うるせー!!」
あんなに顔赤くして…。
「ま、あとはどうするかなんて翔ちゃん次第だけどね」
「お、おう…」
「てゆーか事務所から許可貰ったの?」
そういうことにあの人厳しいし…。
「…おっさんと戦って勝ったらいいって
言われて…死に物狂いで…」
「えっ、勝ったの?」
翔ちゃんは頷いた。うわっ、マジかい。
愛は盲目って本当だったんだ…。
「じゃ、私は帰るわ」
「本当にありがとうな、渋谷」
「まー、あの子泣かせたら許さないけどね」
私はニコッと笑った後に翔ちゃんに手を振った。
「…渋谷あいつ…目、笑ってなかったぞ……」
後ろで翔ちゃんが何かごちゃごちゃ言ってたような
気がしたけど、私は気にせず帰った。
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