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「こりゃ翔ちゃんも苦労するはずだわ…」
『え?翔くんがどうかしたの?』
いきなり出された彼の名前に私は少しドキッとした。
「…天然ってこわいね…
春歌も相当な天然だけどさ…」
『やめてトモちゃんそんな目で私を見ないで』
その目、すごく馬鹿にされてる気がする。
「馬鹿にはしてないわよ」
『勝手に人の心の中読まないでよ…』
もういいやと思い、私は話を振り出しに戻した。
『でもどうしていきなりそんな話出したの?』
「んー?いや、名前今月誕生日でしょ?」
『うん』
今月―6月9日に誕生日をむかえて私は18歳になる。
私は翔くん、那月くんと誕生日が同じなのだ。
「いやね?翔ちゃんがそういうの気にしてさ、
あんたと自分の誕生日に結婚式するとかいわないのかなって」
『そんなことになったら私気絶する勢いだよ』
「でも翔ちゃん18歳になるじゃん。
結婚できる歳になっちゃうよ?」
まぁ…確かに幸せになれるんだったら結婚したいよ…?
でもね、一緒にいるだけで幸せなんだから、
そんなに焦らなくてもいいと思う…。
翔くんは今をときめくST☆RISHのメンバー
そんな翔くんと私は事務所の許可を
貰ってコッソリお付き合いしている。
だから、急いで結婚して、翔くんの人気が
落ちるくらいなら結婚なんて、
おじいちゃんおばあちゃんになるまでだって待つ。
「私、あんたのそういうとこ尊敬するわ」
『あ、ありがと』
よくわからないけどとりあえず御礼を言った。
「まぁ、あんたの考えはわかったわー」
『? うん』
「じゃあ私このあと用事あるから」
『うんまたね』
私はトモちゃんと別れて自分の部屋に帰った。
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