ただ、君が愛しくて
俺は初めて君を見た時から君が大好きだった。


長くて綺麗な髪の毛、パッチリと
した可愛らしい目、小柄な体…。


君の全部が大好きで大好きで、
いつも君に話しかけたかった。


でも、緊張しすぎて、うまく喋れなくて、
目が合わせられなくて…。


そんな俺でも君はニコニコしながら
俺がちゃんと全部話せるまで
聞いていてくれるんだ。


そういうところもすごく好きだった。



でも、それは俺にだけでなくて、
他のやつらにもそうで、俺自身が俺の中が
赤黒く染まるような、不思議な感情が
胸の中でぐるぐると回っていた。



トキヤに聞いたら、「それは"嫉妬"です」って言われた。



しっと…ああ、そうか、これが"嫉妬"なんだ。
俺は納得した。



でも、中々この"嫉妬"っていうやつは、
俺の中から消えてくれなくて、
どうしようもない気持ちになった。




『音也くん、どうしたの?』


「あ、ああ、なんでもないよ、苗字」




俺は心配そうに見る苗字にそういった。



俺と苗字は、早乙女学園でパートナーだった。
苗字がパートナーになってくれた時は
もうすごく嬉しくて嬉しくて、その日の夜は
中々寝付けなかったぐらいだった。



早乙女学園を卒業した今でも、
苗字は俺の専属作曲家。




「ねぇ、名前」


『ん?なあに?』


「これからもずっと…俺といてくれる…?」


『…当たり前だよ。だって、
ここからは出られないんだもん…』




名前はそういって足についてる鎖を撫でた。



俺が名前につけた、足枷。



ここから逃げられないように





…俺のそばから一生、離れられないように―





俺は自分の足についてる鎖を、
名前と繋がっている鎖を撫でた。




「名前、大好きだよ」


『…私も』





俺は彼女を強く強く抱きしめた。






end



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