「なぁ、俺のこと好きか…?」
『えっ…!?』
名前はいきなりの翔からの質問に顔を真っ赤にしておどおどしている。
「なんかいつも俺ばっかりお前に好きって言ってる気がしてさ…」
翔は寂しそうな顔をした。
「俺のこと好きか…?」
『あ、う…』
翔は名前の顔を覗き込んで、コバルトブルーの瞳で苗字を見つめた。
「なあ」
『き、嫌いじゃないよ…』
「それじゃわかんねえよ」
翔は二人で並んで座っていたソファーに名前を押し倒した。
『あ…う…』
「…顔真っ赤…」
ちゅっ、とわざとにリップ音を鳴らして頬にキスをしてやると、名前は顔をタコみたいに真っ赤にした。
『しょ、翔くん…』
「見つめられたって何思ってるのかわからねえよ。名前は俺のこと好きか?」
『う…す、す…』
…目の縁に涙溜めやがってかわいいんだよちくしょー…。
「す…何?」
『す、き…やき…』
はぁーっと翔はため息をついた。
「すきやきって…」
『ご、ごめん…なさい…』
また今日もちゃんと言ってもらえなかったなと思いながら俺は名前の上から退けた。
その時―
『…翔くん…好き…』
「えっ…」
俺は名前の方を見た。
名前は見たことないくらい顔を真っ赤にして―
―俺の彼女は、恥ずかしがり屋。まともに"好き"と言わずに曖昧なことを言っていつもはぐらかすけど―――
曖昧ハニー
![](http://img.nanos.jp/upload/tmpimg/35383/33.gif)
xxxInfinity さまに提出した二つ目の小説です。参加させてくださり、ありがとうございました!!
2012.4/11 砂那
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