再会と、出会いと


今、翔くん…なんて…

名前は目を見開いて翔の方を見た。


「お前…名前だろ…」


ドキッ…


『そ、う…だけど…どうして私の名前を…』


知ってる理由なんて聞かなくてもわかるけど、
私は聞かずにはいられなかった。


「俺だ…!来栖翔…昔お前の家の隣に住んでた…!!」

『え…あ、な…』


う、そ…翔くん…覚えて…


『覚えて、て…くれた、の…?』

「当たり前だろ!!」


名前の両方の瞳から涙がこぼれた。


「ばっ…泣くなよ!」

『だ、だって…さっき
桜のところであった時…』

「あの時名前がいきなり走って
行っちまったから話できなかったんだろ」


え…じゃあ桜のところで
あった時から私だって気がついて…?

翔は名前の瞳から次々と
溢れ出てくる涙を指で掬った。


『しょうく…』

「どうしていきなり消えたりしたんだよ…」


翔は悲しそうな顔をして名前を見た。


『あの、いきなり違う病院に移るって言われて、
言われたその日中に移らなきゃいけなかったから…
…ごめんね…』

「あっ、いや、別に怒ってる訳じゃ…」


ガラッ


「オチビちゃんレディは大丈夫だったかい?」

「レン、ノックもなしに入るなど、失礼ですよ」

「お前ら…」


扉が開いて、私がさっき具合が
悪い時に心配してくれた人達が入ってきた。
そしたら翔くんは頭を抱えた。どうしたんだろう。


「顔色がよくなっていますね」

「まさかオチビちゃんにこんな
かわいい知り合いがいたなんてね」

「うるせえ!名前に触るな!!」

『きゃっ!』


翔はレンと呼ばれた人から
名前を庇うように抱きしめた。


「オチビちゃんも大胆だねぇ」

「うるせー!」

「レン、彼女が反応に困っています」

「おっと…これは失礼。俺の名前は
神宮寺レン。君の名前は?」

『あ、えっと…苗字名前です…』


私は黒い髪の人の方をちらっとみた。


「私は一ノ瀬トキヤです。HAYATOに似ていると
よく言われますが、彼は双子の兄なので、
同一人物ではありません。」

『は、やと…?(誰だろう?)
と、とりあえずよろしくお願いします』


翔は二人と話している名前を
見ながらぶす〜っとした表情をしている。


『どうしたの?翔くん』

「な、なんでもねえよ!!」


翔は顔を赤くして名前から顔をそらした。


「オチビちゃんも春だね」

「ですね」

『…?』



帰る時に私は三人と一緒に帰った。


私は、翔くんと再会できたことの嬉しさで
胸がいっぱいだったけど、お二方と
話していて、個性がある人達だなと思った。





そんな名前が、この三人とこれから同じクラスで
勉強をしていく仲間ということを知るのは、まだもう少し先の話。




第一章、終




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