私の隣の家の体の弱い幼馴染


私の隣に住む来栖さん家の双子は私の幼馴染。

双子くんたちの名前はお兄さんの方が"翔"、弟さんの方が"薫"
お兄さんの方の翔くんは体が弱くてよく入退院をくり返しているの。

…私と同じように。


―病室―

『またあったね、翔くん』

「…"病院"では会いたくなかったけどな」

『そんなこと言ったってしょうがないじゃない』

「…そうだけどさ…」


翔くんが私と同じ病室に"また"入院してきた。

これで何回目かなんてわからない。


『それでも退院できたじゃない』

「一週間で戻ってきたけどな」


…それでもいいじゃない。
私なんて、前に退院した時のことなんて、一ヶ月近くも前だもの。


『…ねぇ、翔くんはやっぱり強くなりたい?』

「当たり前だろ!薫たちに心配なんてかけたくねーし…」

『だよね…』


どうして人より体が弱くうまれてきてしまったのだろう。

もっと強くうまれていれば―

家族に心配をかけなくてすむし、親戚にも、友達にだって―


『…私、こんな体、だいっきらい』

「…でも、俺は少し感謝してるけどな」

『なんで…?』

「だって、こうしてここでお前と二人だけで話できるし」


そういって来栖さん家の双子のお兄さん、翔くんは笑った。

その笑顔が、太陽のように眩しかったのを、今でも覚えてる―




ある晴れた春の日、窓の外に咲く桜が、風にのって開いている窓から入ってきた光景を背に笑う君を、ひどくきれいだなと思いながら見たあの日…―



続く




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