短編 | ナノ


  学年TOPのあの子


この間の試験の結果が張り出された。


―1位 来栖薫

―2位 苗字名前


またこの人が1位か…すごいなあ

私はぼーっと1位をとった来栖くんの
名前を見つめていた。


『あってみたいけど…』

偉そうに威張ってる人だったら嫌だな…。

名前はそう考えながらあるっていた。


ドンッ


『あっ…!』


誰かとぶつかった。

私は転んでお尻を打った。地味に痛い。


「ごめんね、大丈夫?」

『あ、いえ…』

私は差し出された手をとって立ち上がった。

『す、すみません…私がちゃんと
周りを見てたらこんなことには…』

「謝らなくていいよ。お互い様だよ」


そう言って私とぶつかっちゃった男の子は笑った。

ちょっとかわいいなって
思っちゃったのは内緒にしておこう。


「じゃあ僕は行くね」

『あ、うん…』


そう言って男の子は立ち去ろうとした。


「またね、苗字さん」

『えっ!?』

な、なんで私の名前を…!?

わたわたしている私の頭にポンっと
手を一瞬置いた。


「僕、君には負けないよ。好きな子に
かっこ悪いところ、見せられないしね」

『えっ…わっ! …あれ…?』

彼を見ようとしたら、とっくにいなくなっていて―


―君には負けないよ―


そんなこと言われても知らない子
だったから多分クラス違う子だし…。

ハッとして私は試験結果の張り紙を見た。


―1位 来栖薫

―2位 苗字名前



―好きな子にかっこ悪いところ見せられないしね―



『まさか…』


私はこの中で一人だけ、きっとりんごみたいに真っ赤な顔をしてる。



それは、ずっと1位をとり続けていた彼に会えたからなのか、それとも―




end



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