短編 | ナノ


  今日は君の



私は寮の自分の部屋から出ようと、辺りを誰もいないか確認した。


『…よし!』

「…ん?苗字何してるの?」

『ひゃうっ!?』


いきなり苗字を呼ばれてびっくりして変な声を
出した名前は、声のした方を見た。


『お、おと、音也…!?どうして女子寮に…』

「ん?ああ、君に用があって…」

『ご、ごめん!今ちょっとまだ用事が…ま、またね!』

「あっ!ちょ、苗字!?」


名前は音也から逃げるようにしてその場を後にした。


「おや?イッキこんなところでどうしたんだい…?」

「あ、レン…それにマサ、那月、翔…みんなこそどうしたの?」

「俺たちは苗字に用事があってな…」

「ああ、苗字なら用事があるってどっか行っちゃったよ?」


音也は少し俯いてそう言った。


「それはあれでふぐっ」「ばかっ言うなよ!」


何かを言おうとした那月の口を翔が慌てて背伸びをして抑えた。
だが、時すでに遅し…―


「あれって何!?」


音也にはしっかり聞こえてしまっていた。


『あ、みんな』


そこに名前が帰ってきた。


「ねえ、みんな俺に何か隠し事してない?」

「えっ…!?し、してねぇよ…?」


翔、目が泳いでる。


『みんなもういいよ、早く私の部屋入って?
あ、音也はちょっと待ってて…?』

「う、うん…」


一瞬音也の頭の上に耳が見えたのは気のせいだよね…?

名前は音也に悪いと思いながら部屋に入った。


「…俺、何かしたかなぁ…?」

みんな心なしか俺と目を合わせないようにしてた(特に翔は慌ててた)


「音也…?」

「あ、トキヤ」

「あなたは苗字くんの部屋の前で何をしているのです」

「なんか俺だけ部屋に入れてもらえないんだ…」


トキヤはその言葉を聞いた後に少しぽかんとしたが、
すぐに少し微笑んだ。

あれ…?トキヤ、笑って…?

トキヤは名前の部屋のドアをノックした。


『もういいよー』

「さ、入りますよ」

「えっ、ちょっ…」


トキヤは音也の言葉を無視してドアを開けた。


パンッ!パパンッ!


「…え?」

「『音也(くん)誕生日おめでとー!!』」


俺が部屋に入ったと同時に響いたクラッカーの音。
そのあとに目に入ったのは、折り紙などで飾りつけされた苗字の部屋。
机の上にならべられたお菓子やジュース、その真ん中に置いてある、
"Happy Birthday"と書かれたチョコを上に乗せてる、ケーキ―


「えっ、あ、み、みんな俺の誕生日覚えて…」

『当たり前でしょ?だって音也がうまれてきてくれた大事な日だよ?』


"うまれてきてくれた大事な日"


そんなこと言われたの、始めてかも…。


音也の瞳から、ぼろぼろと大粒のしずくが流れた。


『お、音也!?』

「お、俺っ…み、みんなに、嫌われた、かと、おもっ…」

「あーもう泣くなよ」

「主役が泣いてちゃだめですよぉ」

「ほら、笑いなさい」


ちゅっ


「えっ…?」


音也は目をぱちくりさせた。
名前から頬に、キスをされたから―


『は、ハッピーバースディ』


音也は流れた涙を拭った。


「みんな、ありがとう!!」



―HAPPY BIRTHDAY!音也!!―




反省
音也誕生日おめでとう!今日だよね?今日だったよね?
間違っちゃないよね!?落ち着こう、ふーふー…。
誕生日だからってすごく内容長くなってしまった…。
すみません…orz 本当におめでとう!音也!!


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