短編 | ナノ


  01



「んん…?」

俺が朝、目が覚めると、いつもより高い位置に目線があった。
違和感を感じながらも、着替えをすると、いつもは
ぴったりな制服が、その、小さくなっていて、とてもキツイ…。

「な、那月!!」
「なんですかぁ………翔…ちゃん?」

那月を呼ぶと目をぱちくりとさせて俺を不思議そうに見た。

「…翔ちゃん?」
「な、なんだよ…」
「本当に翔ちゃんなの…?」
「なっ、本当にってどういう意味だよ!」
「鏡を見てください…」

そう言って那月は鏡を指差した。
言われた通りに鏡の前に立った。
頭の方は飛び出そうなくらい………え?

鏡の中で俺と同じ動きをしているのは、いつもより
身長がでかい、今の俺をちょっと大人っぽくした感じの俺が―

「えぇえええぇえぇええぇぇえぇ!!?」

な、何だコレ!?どうして、俺様がっ、こんな…!!

自分の姿が信じられない俺は今の俺より
小さい鏡を持って自分をまじまじと見た。
あれ、鏡ってこんなに軽かったっけ?

ドカーン!!

「Mr.クルース!!」
「うおわあああああ!!」

部屋の扉を勢いよく開けて入ってきたのはおっさん。
やめろよ!ドアが壊れるだろ!!

「Mr.来栖の身長はワタシが薬で伸ばしましたァ」
「えっ、なっ」
「ただし、今日だけの効力なので明日には元の姿に戻ってマース」

今日一日その姿を堪能してチョーダイ!!
そういっておっさんは煙を立ててその場から消えた。
おっさんの先祖は忍者か何かか…

…はっ!こんなことしてる場合じゃねえ!
学校に遅れちまう!服どうし…

制服がなくて慌てていたら、俺のベッドの上に
いつも着ている制服のサイズが大きいやつが…

「こ、これ…」
「学園長せんせぇが置いていってましたよぉ」

とりあえず俺はベッドの上に置いてあった
制服を着て学校に向かった。



prev / next

[TOP]



このサイトは「うたの☆プリンスさまっ♪Debut」を応援しています。
うたの☆プリンスさまっ♪Debut 四ノ宮那月(CV.谷山紀章)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -