短編 | ナノ


  隣の席の"しゅうさい"くん



私の隣の席の一ノ瀬トキヤくんは"しゅうさい"くん。
いつも学年でトップをとりつづけている。

私はSクラスの中でも一番と言っていいほど
頭が悪い。頭が悪いんです。

ほら…だって今進行形で一ノ瀬トキヤくんに
数学教えてもらってる…。


「聞いているのですか」

『はひぇっ!?』


いきなり声をかけられてびっくりして
変な声でちゃった。恥ずかしい。

名前はおそるおそるトキヤを見た。

目がっ!!目が、怒ってる!!


「人に教えてもらっておいて
それはないと思いますよ」


私もそう思います。

だってSクラスの落ちこぼれだよ?私。
なのに学年のトップの一ノ瀬トキヤくんが
忙しいにもかかわらず私に
勉強を教えてくれてるんだよ?

あ、考えただけで色々と涙が出てくる…。
あとそここっち睨まないで。
私のせいじゃないから。来栖翔くんのせいだから。

来栖翔くんとは結構話が合う(主に成績)

来栖翔くんが「俺より頭悪いんだ」とか
言うから先生が「じゃあ苗字は一ノ瀬に
勉強教えてもらえ」とか言うから…

え?人のせいになんてしてないしてない。

断じてちが ベシンッ 痛い。


『痛い!酷い!』

「人の話を聞かないあなたが悪いです」

『ごもっともですすみません』


一ノ瀬トキヤくんは目で人を殺せると思う。

そんなことを考えながら前の席で
ぷるぷると笑いを堪えてる来栖翔くんと
神宮寺レンさん二人を睨みつけた。


「人を睨んでる暇があったら
この数式を解いてみなさい」

『…勘弁してください』


私、今日自分の寮の部屋に帰れるかな…



―オマケ―

『見て!学年10位とったよ!!』

「はぁ!?あのお前が!?」

「当たり前です。私が教えたのですから」


自信満々に一ノ瀬トキヤくんは言った。



―end―



prev / next

[TOP]



このサイトは「うたの☆プリンスさまっ♪Debut」を応援しています。
うたの☆プリンスさまっ♪Debut 四ノ宮那月(CV.谷山紀章)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -