入学式当日、私は体育館で学園長先生の話を聞いている途中、貧血を起してうしろに倒れそうになった。
…あれ、痛く…ない…
てっきりうしろにそのまま倒れてしまうと思っていた私は、いつまでも来ない痛みに不思議に思い、うしろを見た。
あ…
「大丈夫ですかぁ?」
『外国人…!?ああ、でも、今、日本語で大丈夫って…』
「え?」
どうやら、うしろにいたこの身長がとても高い方に支えてもらっていたみたいです。
『…はっ!!す、すみません!!重いですよね、今…』
自力で立とうとするが、力が入らなくて立てなかった。とほほ…。
「いいですよぉ、そのまま僕に寄りかかっていてください」
『す、すみません…』
は、恥ずかしい…
シュルッ
…ん?シュルッ…?
布の擦れる音がしたと思ったら喉のところの圧迫感が消えた。
『えっ!?あ、あのっ…!』
喉元を見れば、外国じ…違う、私が倒れそうになったところを支えてくださった方が、私の指定のリボンを…
「こうすると血行がよくなって少しは楽になるかと…本当は横になった方がいいんですけど、今はなれないので…」
『あ…』
そういうことか…
どうやら私が貧血だということに気が付いて、私が楽になれるようにしてくれたようです。
「…それではミナサンこれから頑張ってチョーダイ!ハッハッハッハ〜」
『あ、終わった…』
全然話聞いてなかった…
そんなのん気な事を考えていたら、みんなが動き出した。
私も自分のクラスに行かなきゃ・・・あ
『あの、ありがとうございました!!』
うしろの人に寄りかからせてもらっていた為、さっきより気分が良くなった。
私は振り返って、頭を下げた。
「いえ、いいんですよ〜」
その時から、だったと思う…
私が、彼に、"四ノ宮那月"くんに惹かれたのは―
続く