図書館企画ブログ | ナノ
「一般人は帰れ、だってさー」
きらきらと美しいはずの夜空は少しだけくすんでいる。いつもならもう街はとっくに寝静まって、ぽつぽつとした明かりを残すだけだけど、今日はまだまださわがしい。
「つまんなぁい!」
わたしは空を見上げて頬をふくらませた。花籠っていうのを見たことはなかったし、リーヴコルトピクシーだってもちろんこれがはじめてだ。見てみたかった。どうせだれもいないと気づいて、足元の石をける。そうやってさわがしさのあつまりから離れていって、しばらく。
「あれ?」
わたしのすぐ横で、空気を泳ぐように飛んでいく影をみた。ぱしん、とたとえば蚊をたたく時のように、影をつかまえる。
「わんわん!」
いつも街中を飛び回っている魔法生物が、どうしてかそこにいた。見た目よりもふわふわとした、なんだかたよりない尻尾をにぎりしめる。じたばたじたばた。そのわんわんは慌てているようだった。何匹かのわんわんが通り過ぎていくのを見て、手元のわんわんを見る。
「……いっぴきくらいいなくてもいいよね」
わんわんは必死に首を振っていたけど、これはもうわたしの中で決まったことだった。暴れるわんわんを振り回すように手をゆらして、歩き出す。
「わんわんって桃、食べれるのかな」
首をかしげた後に、くるぅりと振り返って街の明かりを見た。ずいぶん遠くなったけど、まだまだたのしそうに、さわがしい。わんわんはあきらめたようにぐったりしている。わたしはまた頬を膨らませた。
ほんと、おとなってずるい!
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ティールさまかわいいよティールさまあああ とやりたかっただけです。反省してます。
ゆえちゃんすみませんっした!