図書館企画ブログ | ナノ





熱された鉄板の上で重量挙げをしている気分だ。そう語られる搬出作業を、レイベリオは懐かしく眺めていた。各所に広げられたシートの上、本が積み上げられていく。足元にわだかまる濃い影が、天頂に近付く太陽を示していた。
「手伝え」
「俺もう一般人」
露天で買ったたこ焼きを悠然と食べる。リザルドの荒んだ目が刺さった。
「こっちは飯が食えるかも怪しいんだ」
「これ食う?」
「いらん」
段ボールを抱え、背を向ける。ほこりが陽炎に乗って揺らぐ向こう、地平線を覆う入道雲が見える他に、雲はない。だから虫干しにふさわしい、嫌みなほどの晴れは続くのだろう。司書達には不幸な事に。レイベリオはまた一つ、たこ焼きを口に放り込んだ。



(お題:虫干し/たこ焼き/入道雲)
(縛り:オノマトペ禁止)
(微修正/リザルドさまお借りしました!)






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