図書館企画ブログ | ナノ







がくり、と白い影の肩が落ちる。

「……だから嫌だったんだ全く」

声こそか細い少女のそれだったが、口調はまるきり知ったものだったから、刻雨は確信の後に溜め息をついて、マルギットは首をかしげ、ナダドラは展開について行けず呆然としていた。

「先に言っておくが別に変な趣味に目覚めた訳じゃないからな」
「大丈夫ですよ気にしません」
「しろ。というか、そもそもだな、何で判った」
「愛の力ですかね」
「黙れセンパイいいい敬語だから紛らわしいんだよこの変態足フェチが!!」

徒紫乃も徒紫乃で混乱しているらしく訳の判らない事を言い出した。ずる、と黒い髪がずれて青が見えた。そのまま乱暴な仕草でウィッグをむしり取る。

「ああっ、アダシノ駄目だよそれ高かったんだから!」
「高いんだから大切に扱ってねって言ったでしょう!」

叫んだ双子の首根っこを刻雨が掴んで、もう一度溜め息をつく。

「……あんたらが仕組んだ事だったんですね」

ばれちゃったー、とでもいいたげな顔をして双子は目を逸らす。その後、おずおずと手をあげたナダドラの「……とりあえず、説明をお願いしたいんですけど……」という力のない呟きに、全員が顔を見合わせて、一様に頷いた。








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