図書館企画ブログ | ナノ




遅くなりすみませんっしたアアアアアア!!(華麗なる土下座)

先に補足!
前回からそうなんですが、しばらく居残り組(島なう)と輸送班(大陸なう)の2カ所同時進行です。今まではだいたい1ページになりそうな話のまとまりごとに区切りを入れてましたが、今回は場転ごとに細かく区切ってます。今回は今までの区切り方でいうと3まとまり分くらいかと……
多少順番を前後させたりまとめたり削ったりしてもたぶん大丈夫なので、描きやすいように入れ替えて下さい…!
それでは!




船上、大陸の目前に見え出す頃。「なんでアルニコさん置いてっちゃったんですか……」「本当ですよ……」しょぼくれたナダドラとマルギットが仇介に言う。「説明しただろうが、ほら、もう着くから準備しろ!」無線を片付けながら発されたせき立てる声に、甲板にいた面々はそれぞれの担当場所に戻っていった。



それから数刻もなく、港に着いた。寂れた小さな街だ。用意してあった輸送車に手早く荷を運んでいく。いこうとした。その時だった。
輸送車の影から複数の賊。一番近かった刻雨が脚に斬りつけられ、しかし傷は軽く、そのまま賊を蹴り倒す。船へ戻れと、振り返って叫ぼうとして隠れていた賊が集まってくるのを見た。軽く30人、まだ増えていく影に舌打ちひとつ。「待ち伏せかよ冗談じゃない!」仇介は魔法を放ちながら悪態をついた。「いくらなんでも早すぎる――!」



島のうねる道を走り抜ける。「襲撃だと」無線の声を聞いていた兄弟子は驚きをにじませて言った。アルニコは頷く。「すみません」「謝るな」「どこから情報が洩れたのか――」兄弟子は黙して答えない。走りながら繁る植物をかき分ければ家の屋根が見えた。「こちらにまで賊が。今のうちに、急いで妹弟子さんの所に戻りましょう。1人では危険です」



家の扉は開いていた。荒らされていない玄関を確認しながら階段を駆け上がり、彼女の部屋の扉を叩く。答えがない。開かない。魔法がかかっているらしい。「どけ」、と小さく兄弟子が呟いて、答えを待たず扉に手をかざす。ばきりと金属のはぜる音がした。「あいつは結界魔法に向いてない。攻撃魔法の方がいくらかマシだ。破るくらいたやすい」アルニコの問う視線に答えて兄弟子は扉を開けた。
部屋には誰もいなかった。荒らされた形跡はない。几帳面な部屋だ。人の気配は消えかけている、が、つまり少し前まではたしかにここにいたのだろう。部屋を見回したアルニコの肩を、兄弟子が掴んだ。切羽詰まった声で怒鳴る。「あいつは、外だ、追うぞ!」



港町。本は無傷だ。しかしそれを守るメンバーは無傷とは言い難かった。船に残る荷物、下ろしてしまった荷物の双方を守らなければならない。下ろした荷物は隙を見て船に戻してはいるが、いかんせん相手の数が多い。本を守る事に精一杯で、島に向かう高速艇を見逃してしまったのも痛い。「本を寄越せ!」「金になる本は全部だ!!」「すげぇ魔女の遺産なんだろ!!」盗賊達は口々に叫ぶ。「誰が渡すか!!」裂帛の怒声とともに仇介が風魔法を放った。直撃し倒れた盗賊を踏み越え、新手が来る。きりがなかった。



「おかしいですねぇ」最前線、盗賊を跳ね飛ばして歪が呟いた。「私達――図書館司書が動いた事を知って襲ってくるならまだ判りますが、西の魔女の死亡は、まだ機密のはずですよ」それこそ、外部に漏れるのは、数日後だろうと思われていた事だ。敵をいなしながら横目をやる。「息が上がってますよ」「気のせい、ですよ!」数人をまとめて蹴り飛ばして、刻雨が答えた。足の傷は大した怪我ではない。大きく息を吸ってまた敵に向かう。歪はにやついた笑みを浮かべてそれを見、幾人かの盗賊をなぎはらった。







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