図書館企画ブログ | ナノ
水路の張り巡らされたアガット・イアは、それなりに涼しい。逆を言えば、暑いには暑い。風通しが悪いところなら、それはもう酷い。腐る。だからこの街は風通しを考えたつくりになっている。外からの乾いた風が湿気をさらっていくが、入れ替わり立ち替わり熱気を吹き込んでいく。
アガット・イアは今日も暑い。
「…………暑い」
はっきりわかっている事を声に出して言うのは、そうでもしなければやっていられないからだろう。ヒューロは書類を片手に唸り、頬杖をついた。室内は空調がきいているが、動き回ればやはり暑くなるものだ。ひっきりなしにやれ会議だやれ爆発だと、椅子に腰を据える時は山になった書類に立ち向かう時程度だ。班長として仕事に誇りを持ってあたる、それは誇らしい事だ。けれど、とヒューロは思う。
「やっぱり暑いよ……」
頬杖が滑って机に伏した。その時。ひんやりとした感触が頭に触れた。
「まあ仕事熱心なのは感心だが、休めよ」
「バルト君に言われたくないと思うわよ?」
ふってわいたような声に、今まで仕事に励んでいたリンフォがくすくすと笑いながら返す。覚えのある、ばつの悪そうな空気にヒューロは顔を上げた。
「班長…」
「いまはお前が班長だろ」
バルトは苦笑して、アイスを机に置いてヒューロの肩を軽く叩いた。
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ここでタイムアップでしたウワアアアン
いつか長寿研究者組(勝手に命名)リベンジしたい…します……ウワアアアン