
プリンちゃんに協力してもらい襲い掛かってくるアクジキングを止めることになった。
サニー号へと向かって走るルフィさん達を見た私は走るのを止めて後ろを振り返る。
「ドカグイイ!!」
巨大な口を広げて竜の首のように鋭い牙口がある2本の舌が誘惑の森のホーミーズを捕食していく。
ドラゴン、悪タイプと珍しく、ふと三ツ又のドラゴン
ーーー2年前に手持ちポケモンだったサザンドラの姿を思い出し胸を痛めた。
少女が喰い殺されてしまったというアクジキングの話を聞いたことを思い出し、肩を震わせるとどこからか同じポケモントレーナーであるナオの手持ちポケモン、ミミッキュが姿を現し、私にキラリと光る小さな石を渡してきた。
ーーーそれは
『・・・ミミッキュZ』
「キュキュ」
ミミッキュ専用のZワザ。
薄暗い森の中で相手の周りを飛び回り、怯えた隙に頭上からZパワーで拡張させた身体を覆う布に閉じ込め、内部でボコスカとタコ殴りにした上でふっ飛ばす技だ。
そのホラーな本質通り、主力技である「シャドークロー」をベースにしたゴースト技……ではなく、もう一つの主力技「じゃれつく」をベースとしたフェアリータイプの技となっている。
専用技のため、フェアリーZでラブリースターインパクトにするよりも威力はやや高いようだ。
ミミッキュは私にZクリスタルを渡し、Zリングに嵌め込む。
『いくよミミッキュ!』
「キュ!」
ーーーミミッキュはZパワーを身体に纏った!ミミッキュが解き放つ全力のZワザ!
『ぽかぼかフレンドタイム!!』
ミミッキュは布の下にある両目を光らせ、アクジキングの巨体の上からZパワーで拡張させた身体を覆う布に閉じ込める。
その様子を見たルフィさんとキャロットちゃんは「すっげェ〜!!!」「すっご〜〜〜い!!!」と目を光らせ、ナミさんとジンベエさん、ペドロさん、シフォンさんは「なんなのあのポケモン・・・っ!」と顔を青ざめていた。
サンジさんは目をハートマークにさせ、身体をくねらせながら「強いユウナちゃんも素敵だぁ〜〜〜!!!」と叫んでいる。
流石ミミッキュ!
相手の動きを封じ込め布の中で殴り攻撃をしているようだ。
タイプ相性的にドラゴンはフェアリータイプに弱い。
この攻撃でアクジキングの体力を削っている最中にプリンちゃんは絨毯のホーミーズ、ラビヤンに声を掛け、距離を詰めてメモメモの実の能力でアクジキングの記憶のフィルムを取り出した。
「ユウナちゃん!どの記憶を編集すればいいかしら!?」
『私に関する記憶を消して欲しいの』
アクジキングはFallである私を狙ってきている。
その事さえ忘れてしまえばもう追っては来ないだろう。
「わかったわ!編集(エディト)!!」
フィルムの形で抜き出してカット&ペーストで記憶を改竄するとミミッキュはZ技を止めてアクジキングから離れる。
「・・・上手くいったかしらっ」
プリンちゃんの呟きに答えるようにアクジキングは辺りのホーミーズを捕食し始める。
どうやら目の前にいる私には興味を示さない為、上手くいったようだ。
ホッと息を吐き、プリンちゃんとミミッキュにお礼を言ってからサニー号へ向かって走り出す。
「捕まえなくていいの?」
絨毯に乗ったプリンちゃんに聞かれ、頷く。
アクジキングの体力はまだ残っているはずだし、捕まえている時間すら惜しい事を話すと「そうね」と納得してくれた。
「じゃあ私達はケーキを作りに行ってくるわね!」
『うん!有難うプリンちゃん!!』
プリンちゃんはサンジさんとシフォンさんを絨毯に乗せて先に海を渡る。
「急げ!!!海岸が見えるぞ!!」
ルフィさんの声に皆が反応し、走り始める。
『・・・アクジキング』
本当に捕らえなくて良いのだろうか。
しかし、ここで時間を取ったらルフィさん達まで巻き込む危険性がある。
ビッグマム海賊団の追っ手がこちらに向かってきているからだ。
私は誘惑の森の中へと迷い込んでいくアクジキングを一瞥した後、サニー号へ向かって走り出した。
その時、鞄からプルルルルと着信音が鳴り響く。
「なんじゃ?」
「電話かしら?」
隣に走っているジンベエさんとジンベエさんにおぶさっているナミさんは頭を傾げる。
私は慌てて鞄の中からホロキャスターを取り出し、ピッと通話ボタンを押すと耳をつんざくような甲高い声が響き渡った。
「ユウナちゃ〜〜〜ん!!元気にしてたぁ???」
『ーーーナオ』
その声に反応したのはナオの手持ちポケモンであるミミッキュとパンプジンだ。
「キュキュ!」「プジ〜ン」と嬉しそうに鳴いている。
「僕のポケモンちゃん役に立ったぁ?」
『・・・うん』
ミミッキュとパンプジンそれにシャンデラの協力が無かったらビッグマム海賊団やアクジキングと戦えていなかっただろう。
走りながら呟くと「嬉しいぃ〜っ!」と通話口から嬉しそうな声が聞こえてくる。
『ホールケーキアイランドに迷い込んでいたオーロットをゲットしたのっ!』
「えェ!?オーロット!!?嬉しいぃ〜!!僕のパンプジンと対になるポケモンをゲットしてくれるなんてぇ!!」
嬉しい嬉しい!と通話口から叫びまくる呑気なナオに対して思わず溜め息が漏れる。
『あとね!アクジキングがいたのっ!』
「えぇぇぇぇ〜〜〜っ!!?ゲットしたのぉ!!?」
『・・・ううん。今はそんな余裕が無いからっ!』
でも、あのままアクジキングを野放しにしていればホールケーキアイランドに住む人達に被害が及んでしまうだろう。
時間を見つけて必ず捕獲しなければ!
そんな事を話しているとズシーン・・・ズシーンと背後からビッグマムの叫び声と木々が薙ぎ倒される音が響き渡る。
「ウェ〜〜ディ〜〜〜〜ングケ〜〜〜キ」
「「「うわああああ!!!」」」
「「きゃああああ!!!」」
『ビッグマムっ!』
先程の草Z技では倒せなかったかと舌打ちするとホロキャスターから電話を掛けているナオは「ユウナちゃん頑張って逃げてね!」と声を掛けた。
『わかってる!』
「ワノ国で合流しようね!」
一旦私は『電話を切るね』と言い、ホロキャスターを鞄にしまい込む。
目の前を見据えながら走ると誘惑の森を抜け、サニー号がある海岸が見えた。
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