
誘惑の森の主キングバームに乗り、サニー号へ向かう途中で出会ったポケモンのオーロット。オーロットの対となるパンプジンは涙目でオーロットに抱き付いていた。
その様子を見ていた私とキャロットちゃんは笑みを浮かべ「仲が良いんだね〜」と呟く。
順調に進んでいるかと思いきや後ろからビッグ・マムの部下が追い掛けてきた。
「ウェ〜〜〜ディ〜ング・・・ケ〜〜〜キ!!!」
「「「え〜〜〜〜〜!!?ビッグ・マム〜!!!」」」
「よこせケーキ!!!」
『・・・ケーキ?・・・まさか!』
ウェディングケーキが崩れ落ち、食べれなくなったせいで食いわずらいを起こしたようだ。
ゼウスに乗り、巨大な剣を振り翳してくる。
「くらえよ・・・!!エルバフの槍・・・」
「何か来るぞ!!!」
「避けろキングバーム!!」
「威国!!」
ボッコオォン!!
剣に変じたナポレオンを振るい斬撃を飛ばす。
頑丈極まるホーミーズであるキングバームの胴体をえぐり、そのまま建物も貫通し島の外の海上まで衝撃が届いた。
傍にいたパンプジンとオーロットに守られた私は無傷だったが、キングバームの身体はえぐり取られていた。
それを見たオーロットは赤い目を見開いている。
悲しみと怒りから身体を震わせているようだ。
「これ・・・!!巨人族の技に似てるぞ!?何で!!?」
「キングバァ〜〜〜ム!!!」
背後から迫るビッグ・マムの怒り声にキングバームは涙を流しながら走り続ける。
「うわああァ〜〜〜!!!ママ!!許して欲しいジュ〜〜〜!!ワシ脅されてるんだジュ!!」
「マズイ次が来るぞ!!!降りて戦おう!!」
『それが良いと思います!』
これ以上キングバームを傷つけるわけにはいかない。
ルフィさんの意見に賛成し、鞄からモンスターボールを取り出そうとするとナミさんは叫んだ。
「待ってキングバーム!!さっきの女の子誰!?彼女!?」
「フィ・・・婚約者だジュ!!」
レディーツリーと呼んでいた細身の木を思い出す。
「それにこの子!オーロット!!あんたの事を慕ってるのよ!!」
「ジュッ!」
「オーロ・・・」
一緒にキングバームに乗っているオーロットにしがみつくナミさん。
私たちの会話を聞いてオーロットの事情を知ったようだ。
「だったら生きなきゃ!!」
「・・・そうだジュ!こんな所で死ぬわけには・・・!!」
「走って!!キングバーム!!!」
「ウォオ〜〜〜!!!」
猛スピードで走り始めるキングバームを見たペドロさんは「鬼のようだな」と呟く。
「ムリだ次は避けきれねェよ!!」
ルフィさんの言葉に私は顔を上げ、『私が囮になります!』と言いキングバームから飛び降りようとするとナミさんに肩を掴まれ引き留められる。
「待ってユウナ!作戦がある」
『・・・え!』
ナミさんは何処からか白とオレンジ色の縞模様の棒を取り出し「ブラックボール!!」と小さな雷雲を産み出した。
「雷は雷が好き!」
「威国!!!」
「わおー!!」
ビッグ・マムのソウルを直接分け与えた、いわば分身である。
雷雲が大好物であり、それを目の前にすると主人を無視するほど食欲に忠実。
ある意味ビッグ・マムに似ていた。
ゼウスは雷雲を食べるのに夢中になり乗っていたビッグ・マムを落とした事にも気づいていないようだ。
威国は外れ、攻撃を食らわずにキングバームは誘惑の森へと入っていく。
「森へ入ればこっちのものよ!!だってキングバームはこの森の主!!!」
「キングバーム様だ!!」
「道を開けろー!!」
迷わずに海岸まで一直線だ。
キャロットちゃんは笑顔でナミに抱きつき、サンジさんは目をハートマークにされる。
『・・・凄い』
思わず呟くとナミさんは「でしょ〜!」と笑顔で私の頭を撫でる。
『はい!ビッグ・マムがゼウスに乗らなければ逃げ切れます!』
「ゼウスって言うの?」
『はい。あの雲はビッグ・マムの魂で作られたホーミーズです』
ビッグ・マムの能力について説明していると話を聞いていたゼウスが笑顔で名乗る。
「うん!おいらゼウス!!なーなー!!今のちっちゃい雷雲もっとおくれよ」
「え?ブラックボール?美味しかった?」
「あんなに濃厚でノド越しの良い雷雲初めて食べた〜!ある?もっとある?」
ルフィさんはゼウスの頬をつつく。
ふわふわで気持ち良さそうだ。
「おい雲!!そんな事より乗せてくれ!!」
「ムリだよおいらに魂をくれたママしか乗れない」
「ーーーゼウス・・・じゃあ私のしもべになる?」
「なるーーーっ!!!」
何故かサンジさんが反応し、ジンベエさんは呆れていた。
「そしたら毎日ブラックボールを食べさせたげる!」
「え〜!?ホントにー!?どうしようどうしよう」
「ボスへの忠義は無いのか」
『流石ビッグ・マムのソウルから作られたホーミーズ・・・』
ジンベエさんと共に苦笑いを浮かべるとナミさんはゼウスを褒め始めると「ひゃー!」と声を上げて照れるゼウスが可愛く見える。
その時、後方からビッグ・マムの叫び声が響き渡った。
「誘惑の森ィ〜〜〜!!!そいつらを止めなァ〜〜〜!!!」
「やば!ママが怒った」
ビッグ・マムの命令に誘惑の森は本来の姿を取り戻した。
一気に森を駆け抜けようとする予定だったが木や花のホーミーズがそれを阻止する。
「うわァ!厄介な森に戻ったァ〜〜〜!!」
「蹴散らして真っ直ぐ進めばいいんじゃねェのか?」
ルフィさんは誘惑の森の怖さを知っているのか頭を抱え、サンジさんは頭を傾げる。
『この森は人間を惑わし弄ぶんです』
私が誘惑の森について説明すると巨木のホーミーズ、キングバームは冷や汗を浮かべていた。
「女王の号令にはワシも敵わんジュ!!だが・・・どけェ〜〜〜!!!ここで死ぬわけにはいかんのジュ〜〜〜!!!」
「ギャー!!なぜですキングバーム様〜〜〜!!」
船への道を塞ぐホーミーズ達を蹴り飛ばしながら進みキングバームだったが、上空が明るく照らされ、空に浮かぶ火の玉プロメテウスの声が響き渡った。
「おいキングバーム。ママを裏切ったな・・・」
「・・・プ!!プロメテウス様!!!」
巨大な火の玉がキングバームに襲いかかる。
「無理だ逃げろォ〜〜〜!!!」
ルフィさん達は素早くキングバームから飛び降りる。
私も逃げようとしたが、まだキングバームの上にオーロットがおり、パンプジンと一緒に呼び掛ける。
『オーロット!?急いで逃げてっ!!』
「プジン!」
「オーロ・・・」
イヤイヤと頭を左右に振りながら涙を流すオーロット。
それほどまでにキングバームが大切なのだ。
助けたいが今はその時間すら無い。
『ーーーごめんなさい』
貴方の意志を無視して捕まえる身勝手なトレーナーでごめんなさい。
私は鞄からモンスターボールを取り出し、オーロットに当てる。
少しの間ボールは左右に揺れたが、その直後ポンッ!と音を立てたモンスターボールを手に取り、一緒にいたパンプジンといつの間にか肩に乗っていたミミッキュと共にキングバームから飛び降りた。
「ギャアアァアァア」
直後、周囲が勢いよく燃やされ、キングバームの悲痛な叫び声が響き渡る。
プロメテウスにより燃やされたキングバームを見た私は涙を流しながらルフィさん達の元へと走った。
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