
ホールケーキアイランド北西まで逃げ切った私達は少しの間、地面に座り込み休憩を取る。
ベッジの身体の中から出てきたナミさん達は「有難うユウナ、ベッジ!」とお礼の言葉を述べるとベッジは鼻を鳴らした。
「お前らとはここまでだ・・・!!礼など言うな!!良いことでもしたみてェで気分が悪い」
『私もベッジさんのおかげで皆に会えました。感謝しています』
「フンッ・・・そうかよ」
素直じゃない人だなァとフフッと笑うと「何が可笑しい」と怒られる。
私とベッジがそんな会話をしているとシーザーは泣きながら叫んだ。
「てめェら!おれだって手伝ってやっただろうが!!」
真っ先に逃げ出したくせに。
と思っているとナミさんはシーザーを睨み付け怒鳴った。
「うっさいわねグズ!!あんたパンクハザードで子供達に何したか覚えてる!?もう用済みだから・・・死ぬばいいのに」
「あァ!?」
ーーーパンクハザード。
一瞬だけ真っ白い雪景色と巨大な建物を思い出した。
そうだ、そこで誰かと再会したんだ・・・誰と。
ぼんやりする記憶の中で額を押さえるとナミさんは
「どうしたのユウナ?具合でも悪いの!?」と声を掛けて下さり慌てて頭を横に振った。
『いえ!大丈夫です・・・あの・・・ナミさん』
「ん?」
パンクハザードにて誰かと出会わなかったかと聞くとナミさんは、にやーと微笑み私の耳元で囁いた。
「トラ男くんよ!」
『・・・・・トラ男くん?』
頭を傾げると「本当に忘れちゃったの!?・・・不憫ねトラくん」とナミさんは呟いた。
「ユウナのことを頼まれたの。無事に連れ戻して欲しいって」
『・・・私のことを?』
「そうよ!だから一緒に行きましょう!ワノ国へ!!」
ーーーワノ国。
あの電話の主もそこにいるはずだ。
私は『はい!』と頷くとナミさんは微笑んだ。
傍にいたチョッパーさんとウサギの女の子が駆け寄り私の名前を呼ぶ。
『・・・えっと』
「私はミンク族のキャロットだよ!初めましてユウナ!」
『初めまして』
「ガルチュー」とキャロットは私に頬づりをし耳に噛みつく。
驚いて声を上げるとチョッパーさんは「ミンク族の挨拶なんだ」と説明してくれた。
『そう・・・なんですか』
「うん!これから宜しくね〜!ユウナのドラゴンカッコよかったよ〜!」
『リザードンのことですか?有難うございます』
えへへ〜と微笑むキャロットが可愛く、私はきゅーん!と胸を鳴らし頬を赤らめる。
そんな会話をしているとベッジは懐からシーザーの心臓を取り出し彼に返すと泣きながら喜んでいた。
「心臓がァ〜〜〜!!!おれの心臓が戻ったァ〜!!!もうてめェらと会うこともない!あばよバカ共〜〜!!!」
『さようならシーザー』
「ユウナ、あんな奴に別れの言葉なんてかけなくて良いのよ」
ナミさんは去っていくシーザーにべーっと舌を出す。
殺戮兵器を生み出す科学者を逃がしても良かったのだろうかと頭を悩ませているとナミさんは鬼の形相で「あいつの心臓潰せばよかった」と呟いていた。
殺戮兵器からふとーーーカロス地方で3000年前に使用されたと聞く最終兵器の事を思い出す。
多くのポケモン達の命を使い破壊の限りを尽くした最悪の兵器・・・。
「頭目やっぱり・・・!!みんな助かっちまってる様レロ!!城がまるでケーキの様に・・・」
「シュトロイゼンの能力だな・・・あいつだけはずっと謎の存在だった。戦っても相当強ェ筈・・・全滅じゃなかったが城は崩壊!!少しは気が晴れた・・・!!」
どうやらホールケーキ城にいた人達は無事だったようだ。
ホッと息を吐くと「敵の心配をしてんじゃねェぞ」とベッジに睨まれる。
「ほんじゃあとは逃げるだけか!!」
「ずっとそうだが・・・最初が難関過ぎただけだ・・・!!お前らも急いだ方がいい追ってはすぐに来る。船についてもナワバリを抜けるのに1日かかる。武運を祈る」
ベッジは木の看板を地面に打ち付け、足をキャタピラに変化させ急いで私達とは反対に逃げていった。
しかも看板には麦わら達はあっちと余計なことまで書かれている。
それを見たサンジさんは「しょうもねェ事して行くな!!」と怒鳴った。
「では私達はシャークサブマージを回収してそのままサニー号に向かいますので!!」
「あぁ気ィつけろよ!!おれ達も急ごう最初の海岸へ!!」
ブルックさんとチョッパーさんは別れて行動するようだ。
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