ホールケーキ城屋上には結婚式に呼ばれた客人やビッグマムの家族達が勢揃いしていた。


キャンディ大臣ペロスペロー様、
長女フルーツ大臣コンポート様、
次男将星カタクリ様、
14女将星スムージー様、
3男ダイフク様、
4男オーブン様

ーーー総合懸賞金は強さはどれ程のものなのか。


もし私が逃げ出したら彼らに捕まり殺されるかもしれない。
味方にいる内は心強いがこれが全員敵に回ったら・・・そんな事を考えるだけで背中がゾクッと寒くなる。


すると、傍にいたシャンデラは特性ほのおのからだで私の身体を暖めてくれた。

『・・・有難う、シャンデラ』

「ギュウィーン」と可愛らしく鳴くとミミッキュは「キュキュ」と鳴き、私の肩に乗る。
みんな私の事を心配してくれているようだ。
早くワノ国へ行かなければ。ミミッキュとシャンデラの主人が待っているのだから。


そんな事を考えていると、チェス兵士が写真立てをビッグマムがいるテーブルの上に置いた。あの写真立てには見覚えがあった。
私とカタクリ様の結婚式でも置いてあった写真だ。

「ママ、マザー・カルメルです」

「そう・・・おれ達の・・・・・マザー!!!」

写真を見たビッグマムは笑顔を見せる。
彼女にとって、とても大切な人の写真のようだ。
マザーというからにはビッグマムの母親なのだろうか?


そんな事を考えていると、客人の男性がマザーとは何者なのかと問うとビッグマムは怒り、覇王色を発動させた。

「おれの思い出に踏み込んで来るんじゃねェよ!!!」

覇王色の覇気。覇気の中でも特殊な種類の覇気であり数百万人に1人しか素質を持たないらしい。
“王の資質”を持つとされ、敵を威圧し、力量差のある者を気絶させる事が出来る。


ビッグマムの覇王色に当てられた男性は口から泡を出し気絶した。

不穏な空気が漂ったが、その中でビッグマムに声を掛けたのは結婚式の客人として呼ばれた闇金王のル・フェルドだった。


「まーまーそれはそれとして!!手土産を運ばせておいたネン。シャーロット!!」

「おや宝箱じゃないか!!大好物!何が入ってるんだろうねェ」

宝箱を目にしたビッグマムは機嫌を良くしたようだ。
客人から次々と手土産の宝箱を受け取っている。

「嬉しいじゃないか〜〜〜!いつもいつも!!こんなにたくさん!!有難うねェ〜〜〜っ!!おれァ幸せだよ」

「宝箱と言えばマミーゴ!海底の大秘宝を手に入れたって?」

世界経済新聞社の社長のモルガンズがビッグマムに問う。
見た目は鳥だが、ミンク族なのだろうか。

「おや耳が早いねさすがモルガンズ。そうさ海底の王族に代々伝わる宝箱!!何の因果かネプチューンがそれを手放し今ここに!!ーーーこれがあの伝説にきく玉手箱さ!!!」

「おォ何て重厚感!!」

「中に一体何が!?」

「プリンの挙式の後の盛大な宴でみんなのプレゼントと一緒にこれも開けてお披露目するつもりさ!!!」

「そりゃ楽しみだ〜〜〜!!!」

玉手箱が気になった私は傍で見ようとビッグマムの元へと近寄ろうとした時に、スムージー様に声を掛けられた。


「ユウナ、ウェルカムドリンクはどうだ?」

『スムージー様』

「今日はマウリ火山の溶岩と男を100人刺した美女そしておかしな声で無くキリンだ」

『え・・・えぇっと』

正直どれも微妙だった。
私はお酒もビールもワインも苦手だったからだ。
だけどここで彼女の機嫌を損ねる訳にはいかない。


『じゃあキリンを・・・』

「わかった。すぐに絞る」

スムージー様はキリンの首を雑巾のように絞るとキリンは泣き叫び頭から液体が出てきた。
何度見ても恐ろしい光景だ。

「さァ出来たぞユウナ」

『有難うございます』

苦笑いで受けとるとスムージー様は目を輝かせて私を見る。
どうやら自分の能力で絞ったキリンの味の感想を聞きたいようだ。

飲むしかないんだ!
とグラスを口元に近づけようとした瞬間、カタクリ様が私の名前を呼んだ。


「・・・ユウナ」

『は・・・はい!』

「あ・・・!ユウナ」

スムージー様に呼び止められたが、年齢も将星としての強さもカタクリ様の方が上だ。スムージー様もわかってくれるだろう。


カタクリ様の元へと駆け寄ると傍には女性達がお菓子を持って集まっていた。
流石カタクリ様。
強くてカッコ良くて優しい彼を慕い、惚れる人は多い。


私が彼に近寄るとギロッと殺意のある瞳で睨まれる。
思わずビクッと肩を揺らすと私の肩にいたミミッキュがキラリと目を光らせた。

「・・・ユウナ」

『ーーーッ!』

カタクリ様は気にする素振りを見せず、自分の足元を手で叩いていた。
私にここへ来るように指示をしている。


彼の誘いを断り悲しい思いをさせるのは嫌だが、今は(フランペちゃんが)会長のファンクラブ会員だと思われる女性達からの視線の方が恐ろしかった。

私は顔を青ざめ『・・・あのっ』と呟くとカタクリ様は頭を傾げる。

彼は少し先の未来を見えるんじゃなかったのか!?
恋愛系になるとダメなのだろうかと心の中で呟いた。


『用事があるので・・・っ』

ドレスの裾を掴み小さくお辞儀しカタクリ様の元から去ると、背中にモチがくっつき引っ張られた。

『ーーーきゃぁ!?』

「キュキュ!」

ミミッキュは布の下から黒い腕を出したため慌て頭を左右に振るとミミッキュは私の気持ちを理解し、腕をしまった。


そのままモチに引っ張られてカタクリ様の膝の上に乗せられ、私は顔を赤らめたり、青ざめたりさせるとカタクリ様は私の頭を優しく撫でた。

「・・・どうした?」

『いえ・・・っ』

緊張と恐怖から身体を強張らせて式が始まるまでの少しの間、カタクリ様の膝の上で過ごした。


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