目を覚ますとカタクリ様に抱かれながら眠りこけていたらしい。
彼もまた目を閉じ眠りについていた。プリンちゃんの結婚式まであと2時間程だ。


寝ている彼を起こし、湯船から上がりふわふわのタオルで身体を拭く。

『・・・・・休めましたか?』

「あァ・・・身体は痛くないか?」

『・・・大丈夫です』

正直、腰が痛いけれど心配をさせないように笑顔を見せる。


用意していた結婚式用のワンピースドレスに着替え始めた。
カタクリ様と同じ黒色の上品な光沢のある生地に白のレースの刺繍が大人クラシックを演出している。
ネックレスと結婚式に貰ったピンクダイヤモンドの指輪を嵌め、軽く化粧をしてからカタクリ様に声を掛けた。

『準備できました』

「あァ・・・似合っている」

『・・・有難うございます』

カタクリ様はいつもと同じ服だ。
左腕や両膝両脛に棘の付いた腕輪や防具などを装着しウエスタンブーツ風の靴は踵に歯の部分が鋭く尖っているギアをしている。
着用しているジャケットにはシャーロット(SHARLOTTE)の文字と口の縫われたドクロの装飾が刻まれている。
肩幅ほどもある大きなファーを首に巻きつけ、両手には手袋をはめていた。


口元を隠さなくてもカッコいいのにな。
と思っていると「行くぞ」と言われ、鞄とモンスターボールを持ち、部屋にいたミミッキュとシャンデラに一緒に来るように声を掛けた。



結婚式の会場は屋上でやるようだ。
会場に着くと大量のお菓子や飲み物が用意されており、木や花のホーミーズが笑いながら歌を唱っていた。

「始まるよ♪」「始まるよ♪」「ママのお茶会の時間だよ♪」
「豚車があわててやってきました♪」「間に合うかしら?」「遅刻だね♪急がなきゃ♪」
「ビッグ・ゲストが出て来るぞー♪」

屋上から下を覗くと結婚式に招かれた客人達が次々と現れた。
後に知ったことだが、その客人の中には闇金王や葬儀屋、世界経済新聞社社長などがいたらしい。


ペロスペロー様が客人達に声を掛け、能力でキャンディのエスカレーターを造る。
まさに芸術。
その姿はおとぎ話に登場する魔法使いその者だ。


「ママは遅刻が大嫌い。さァ参りましょう!!あんたら最後のゲストです!!」

その光景を見た私はペロスペロー様の能力の凄さに呆気を取られていた。
ポケモン達の力でもあれほど芸術的な物は出来ないだろう。
キャンディエスカレーターを眺めていると、シャンデラが「ギュウィーン」と鳴いた。

『どうしたの?シャンデラ・・・あれ?カタクリ様?』

先程まで隣にいた彼がいないことに気づく。
一体どこへ行ったのだろうと辺りを見回すと傍にいたミミッキュは会場前の門へと向かう。
どうやらそこに彼はいるようだ。


確か門番にはビッグマム海賊団の傘下。“ギャング”ベッジが担当していたはずだ。
「城(ルーク)」として、今回の茶会、つまりヴィンスモーク家との結婚式での護衛の全権を任されたという話を聞いたことを思い出す。

同じ超新星だ。
という話を聞き彼に興味を持っていたが、茶会に招待された客と揉み合いになっているようだ。

どうやらビッグマムに復讐をしに来たらしい。
カタクリ様はその様子を脚を組みながら見ている。



私は騒ぎが大きくなる前に加勢しようと門の上から飛び降りベッジの元へと向かうと「お前は・・・魔獣使いッ!」と声を上げられた。
私の事を知っているとは思わず、ビクッと肩を揺らす。

「何しに来たてめェ!!」

『・・・困っているようなので手伝いに来ました』

超新星と呼ばれ、「最悪の世代」に名を連ねた海賊カポネ・ベッジ。
本人や部下達の外見はギャングそのものだ。

「あァ!?ゲストだぞ!!!」

『お客様じゃないようですが・・・』

臓器売買業者ジグラに視線を向けると彼は冷や汗を垂らしながら叫んだ。

「おれの所にゃ前回も招待状が来たんだよ!だがどうしても行けなくなった!!母の葬式からだったからだ!!その旨を手紙に書いたがビッグマムから届いたのは何だったと思う!?入院中だった父の」

その時、ジグラの脳天を何かが貫いた。
それは、お菓子のジェリービーンズだった。

「おい誰が撃った!!?ゲストだぞ!!!」

「ーーー話はこうだった。ビッグマムから届いた物は何だったと思う!?入院中のだった父の首だよ!!おれは今日復讐しに来たんだ!!!門を開けろ!!ドン!!ドン!!ーーーと発砲。お前の部下は二人撃たれた・・・・・!!」

「将星カタクリ・・・!!」

「そうなる前におれがジェリービーンズを投げた事は間違いか?ルークベッジ。おれの判断だとママに報告しろ。お前はこう言う・・・わかった・・・ならいい」

「・・・・・・!わかった・・・ならいい」

見聞色の覇気を鍛えすぎて少し先の未来が見えるという10億超えのカタクリ様の言葉に城(ルーク)のベッジも頷くしかないようだ。


どうやら彼に助けられてしまったようだ。
傘下として役に立つつもりだったが・・・


「・・・ユウナ」

『・・・はい!』

カタクリ様に名前を呼ばれビクッと肩を揺らす。


未だに緊張しているのは、いつか彼を裏切りここから去ろうとしていることへの罪悪感と恐怖感からなのだろうか。


「50人・・・いや、100人・・・来るぞ」

『・・・・・え?』

その瞬間、後方から爆発音と銃声が鳴り響き、臓器販売暗殺集団が襲い掛かってきた。

「蜂の巣にしてやる!!」

ベッジの部下が敵に銃を向けるとカタクリ様は「無駄だ」と呟いた。
また未来を見たのだろう。

銃弾は強靭な身体に跳ね返され、銃口は剣に斬られベッジの部下はあっという間にやられてしまった。

「心臓をくれ」
「肝臓頂戴」

その様子を見たベッジはチッと舌打ちをする。
私は鞄からモンスターボールを取り出し、ベッジに声を掛けた。


『私に任せて下さい』

「・・・・・頼んだ」

絶対に断られると思ったので正直驚いた。

更に「早くあいつらを倒せ」と命令され、頬を膨らませると「後で礼をしてやる!」と言われたので私は『わかりました・・・』と頷く。


ちらりと門の上で見守っているカタクリ様を見ると彼は片手にジェリービーンズを持っていた。
危ない時は援護してくれるようだ。


モンスターボールから相棒のリザードンを出そうとした瞬間、シャンデラとミミッキュが私の前に姿を現した。

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