
ウェディングドレスを選び終わった後にプリンちゃんをお茶に誘ったが「ごめんなさいユウナちゃん!この後式の準備があるの」と言われ断られてしまった。
『ううん、大丈夫だよ』
私は笑顔で挨拶し、城へ帰る事にした。
ホールケーキアイランド城へ戻る途中、何やら誘惑の森から爆発音と叫び声が聞こえる。
クラッカー様が侵入者を討伐に行ったことを思い出した。
四皇シャーロット・リンリン率いるビッグ・マム海賊団の最高戦力たる大幹部スイート3将星の一角で、ビッグマムの息子シャーロット・クラッカー。万国(トットランド)のビスケット大臣を務めており、万国に存在する住居の壁などを担当している。
異名は千手のクラッカーと呼ばれ懸賞金8億6000万ベリー。
そんな彼がまだ戦っているのか。
一体何時間の戦闘になるのだろう。
クラッカー様から森には来るなと忠告されたが、私は興味本意から向かってしまった。
誘惑の森まで徒歩で向かうとなるとかなり遠い。
しかもハイヒールにワンピースなんて歩くには最悪な衣装で来てしまった事に後悔する。
『ズボンと運動靴を履いてくれば良かった・・・』
普段はスカートなんて履かないけれど、ここ(ホールケーキアイランド)に来てからワンピースしか着ていない。
それしか用意されないのだ。
女の子らしく可愛くしろということなのだろう。
「ブイブイ!」
モンスターボールから出てきたイーブイは可愛らしく鳴き私にすり寄る。
一休みしようと屈んでイーブイの頭を撫でていると城の方から悲鳴と爆発音が聞こえてきた。
急いで騒ぎが聞こえる方へ駆け寄ると頭から血を流し白目を向いたクラッカー様の姿に呆気に取られる。
「ウソだろ!!?ウチの3将星だぞ!!!どこのどいつだ!!ブッ殺してやる!!」
シャーロット家19男モンドール様が怒り狂っている。
「兄さんは確か麦わらのルフィを始末しに森へ!!」
シャーロット家18女。
万国(トットランド)バター大臣のガレット様。カールした髪に悪魔のような角が特徴な女性だ。
「どこから飛んで来た!?敵は近いファ!!麦わらのルフィが近くにいるファ!!!」
シャーロット家の5男で、万国では生クリーム大臣を務めるオペラ様が緊急警報を発令すると
ビーッビーッと湧き上がるようにしてサイレンが鳴り始める。
ーーールフィさんがここへ来ている
その話を聞いた私は急いで誘惑の森へ向かった。
彼の名前を繰り返しながら必死に走った。
涙が溢れて視界が滲む。
やがて破壊された木々と地面が見え始める。ホーミーズは恐怖から枯れていた。
その光景を見て一瞬息が止まる。
凄まじい戦闘の痕に心が苦しくなる。
ルフィさんは無事なのだろうか?
恐る恐る森へ進むと巨体の男性が傷だらけで倒れていた。
慌てて駆け寄り声を掛けると 「わーびっくりした〜〜〜」と声を上げられた。
『あの・・・!麦わら帽子を被った少年がここへ来ませんでしたか?』
「ウヌはあの子達の知り合いなのよね?」
私はパウンドさんから今まであった出来事を聞いた。誘惑の森にルフィさん達が来たこと。将星クラッカー様を倒したこと。
そして、プリンちゃんの新郎様を連れ戻しに来たことを。
その話を聞いた私は肩を落とし地面に座り込んだ。
『・・・・・なんだ。私を助けに来たんじゃないんだ』
全身が震え、涙が溢れて視界がまた滲む。
やっと逢えると思っていたのに彼らはもうここにはいなかった。
「大丈夫よねっウヌ!」
『ーーーっ!』
ポロポロと涙を溢し泣き崩れていると、急に天気が崩れ雨が降ってきた。
全身がずぶ濡れになる。
まるで私の心のようだ。
「リンリンは天候を従える女!!左手に雷雲ゼウス!!右手に太陽のプロメテウス!!怒れるビッグマムを止める術はないのよね!!」
パウンドさんの話を聞き、顔を上げると口の中に甘さを感じた。
これは雨じゃ無い。
『・・・水飴』
いつまでも泣いている場合じゃない!
ルフィさん達がここへ来ているのなら私は私のやるべき事をしなければ。
少しでも彼らの役に立つために。
私は震える身体を何とか立たせ、パウンドさんに礼を言い城へと向かった。
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