
「暫く留守にする」
『はい、いってらっしゃいませ』
笑顔で挨拶をすると、カタクリ様は口元を覆っているファーを下げ、無数の牙と唇が私の唇に合わさった。
舌が絡み合い声が漏れる。
『ん・・・』
くちゅくちゅと水音が鳴り響く。
息が苦しくなった頃に彼は唇を離し銀糸が二人を繋いで、ぷつりと切れた。
「行ってくる」
『・・・はい』
口元をファーで隠し、任務に行ってしまった。
・・・・・嫌われてないんだよね?
旦那様を見送った後、昨夜の激しい行為により腰を痛めてしまった為、部屋で寛いでいるとモンスターボールからイーブイが出て来た。
「ブイ!」
『おはよう、イーブイ』
鞄の中からオレンの実を取り出しイーブイにあげると嬉しそうに食べ始める。
ふと昨夜の行為を思い出すと頬が熱くなる。
身長差と体格差のせいで身体のあちこちが痛いし、気づけば首元や肩に歯形の痕が残っていて驚いた。
カタクリ様を想うだけで胸の奥が熱くなる。
彼がもしポケモントレーナーだったら、サメハダーやボーマンダ、ガブリアスが似合いそうだなぁ。
そんなバカな事を考えてしまい、慌てて頭を左右に振り、我に返る。
ダメダメ!私がカタクリ様と結婚したのは自分とポケモン達の身を守るためなんだから!
彼だってそう、ビッグマムに命令された政略結婚なのだから
・・・私たちの間に愛なんて必要無い。
身体を起き上がらせ、不思議の国のアリスの服のような可愛い水色のワンピースに着替えていると、扉からノック音が聞こえる。
開けるとプリンちゃんが笑顔で挨拶をしてくれた。
『プリンちゃん!』
「おはよう、ユウナちゃん!・・・あらあら昨晩はお楽しみだったようね」
私の首元に手を当て、カタクリ様に噛まれ痕になっていた箇所に触れる。
ピリィと痛みを感じているとプリンちゃんは微笑んだ。
「カタクリ兄さんとうまくいってるようで安心したわ」
『・・・・・うん』
「ん?どうかしたの」
なんでもないよ。と誤魔化すがプリンちゃんは険悪な表情で此方を見つめ両手で私の両頬を引っ張り始める。
『ひゃんでもひゃい』
「浮かない顔をしてるわよ。結婚初日からカタクリ兄さんと喧嘩でもしたの?」
『ひゃがぅよぉ』
「ブイブイ!」
イーブイの声でプリンちゃんはパッと手を離し、私は引っ張られた頬を擦る。
「何か悩みがあるなら話しなさい。私たち友達でしょ」
『・・・プリンちゃん』
じーんと感動していると、プリンちゃんに手を引かれ部屋を出る。
慌ててイーブイをモンスターボールに戻した。
「気分転換にカカオ島ショコラタウンに行きましょう」
『カカオ島?』
「私がオーナーをしているカフェがあるのよ。ラビヤンに乗っていけばすぐに島に着くわ」
『行ってみたい!』
「えぇ、案内するわ」
私とプリンちゃんはホーミーズのラビヤンに乗り、ホールケーキアイランドから離れた島、カカオ島に向かった。
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