ーーーユウナ!


眩しい陽の光の下で帽子を被った人物が私の名前を呼んだ。
懐かしい。私はこの人を知っている。


ーーー貴方は


「ユウナちゃん!起きてッ」

『・・・ん』

プリンちゃんに身体を揺さぶられて目を開ける。
私はプリンちゃんの部屋のベッドで休んでいた事を思いだし、重い身体を起こす。
窓からは陽の光が漏れていた。

「もう!今日は結婚式でしょッ!?主役が寝坊したらママ達になんて言われるか」

『・・・結婚式?』

思い出した。
そういえば私はお世話になっているビッグ・マムの息子ーーーカタクリ様と結婚することになってしまったのだ。


あんなにカッコいいカタクリ様と私なんかが結婚してもいいのだろうかと顔を青ざめていると、モンスターボールからイーブイが出てきた。

「ブイブイ!」

『おはようイーブイ。プリンちゃんもおはよう』

「おはようユウナちゃん・・・はい。じゃあ早速ウェディングドレスに着替えて!」

純白のプリンセスドレスに着替えさせられる。


上半身はタイトでスカートにふんわりとしたボリュームを持たせた形がプリンセスラインだ。
ウェディングドレスとして最もポピュラーで、どんな体型の方にも似合うといわれている。


『このドレス可愛いね』

「当たり前でしょ。私が選んだんだから。それとこれ」

プリンちゃんは私の首元にキラキラと薄紅色に輝くピンクダイヤモンドが付いたネックレスを掛けてくれた。

『これって・・・』

「そうよ。ユウナちゃんの魔獣ーーーポケモンのディアンシーちゃんが生み出したピンクダイヤモンドをネックレスにしてみたの」

『・・・綺麗』

目を見張るほど美しい。
神秘的な薄紅色の輝きが私の心を虜にする。
ディアンシーの方がもっと綺麗だけれど、宝石として加工されたネックレスも美しかった。


「ペロス兄さんがねユウナちゃんに礼を言ってたわ。あのピンクダイヤモンドの原石を指輪やネックレス、イヤリングとして販売したら天竜人の目に留まって数十億ベリーで売れたらしいの」

『数十億!?』

「そうよ。はいこれ」

プリンちゃんは特大の布を私に渡すとドサッと音を鳴らした。
中を恐る恐る見ると大量の金貨が入っており息を飲む。

『ーーーッ!』

「今はほんの一部しか渡せないけど後でまた渡すわね」

『えッ!そんなに貰えないよ!?』

「何言ってるの!ユウナちゃんとディアンシーちゃんのお陰で私達ビッグマム海賊団に軍資金が入ったのよ」

『でも・・・宝石を加工して販売したのはペロスペロー様だし』

私は特になにもしていない。
ディアンシーにお願いしただけだ。

「ユウナちゃんが言わなかったらディアンシーちゃんは宝石を私達に渡してくれなかったでしょ?感謝しているのよみんな」

ニコッと微笑むプリンちゃんに対して、これ以上反論するとプリンちゃんを困らせるだけだと思い私は貰ったお金を大切にしまいこんだ。


「さぁ行きましょう!」

『まだ心の準備が・・・』

「何言ってるのよ。沢山休んだでしょ」

プリンちゃんに手を引かれる。
イーブイは私の肩に乗り、部屋を出る前にモンスターボールが付いたホルダーバックを手に取り式場へ向かう。


式場の前には大勢のビッグマムの家族が式の準備をしており私は恥ずかしさから今すぐ逃げ出したくなってしまう。

ビッグマムの家族は皆、スタイルが良く身長が高い人が多い。魚人や首長族、足長族など様々な種族がいるようだ。


こちらに気づいたオーブン様とダイフク様に声を掛けられた。

「素敵なウェディングドレスだなユウナ」

「けっ、孫にも衣装だな」

『オーブン様!ダイフク様』

顔見知りの方と出会えた喜びから笑みが漏れる。

「私が選んだのよ!」

フフンと自慢げにプリンちゃんは鼻を鳴らした。
その姿がまた可愛らしい。


その後にブリュレ様とクラッカー様を見つけて声を掛けると小さく微笑んでくれた。

「似合ってるじゃないの。ねぇクラッカーお兄ちゃん」

「・・・まぁな」

『ーーー!有難うございます』

「ブイブイ!」

その様子を見て肩に乗っているイーブイは嬉しそうに鳴いた。

最初は警戒され見下されていたが、彼らともだいぶ打ち解けられてきたと思う。


ウェディングドレスの裾を持ち、笑顔で頭を下げているとプリンちゃんに呼ばれた。

イーブイは先にプリンちゃんの元へ向かい、私もそちらに向かう途中で、何かが飛んで来る気配を感じた。

『ーーーッ!』

咄嗟に避けようとしたが、ハイヒールを履いていることを忘れてバランスを崩し顔面から転んでしまった。

「あらあら無様ねェ」

『ーーーフランペちゃん』

口の中でガムを噛みながら宙に浮かびこちらに近づいてくる。
フランペちゃんのガムを避けるために動いたが、見事にスッ転びウェディングドレスを汚してしまった。


「ユウナちゃんッ!?大丈夫!!?」

私に駆け寄り、手を掴み立たせてくれたが、足に痛みが走る。

『ーーー痛ッ』

その様子を見たプリンちゃんはフランペちゃんに対して怒鳴り声を上げた。

「なんて酷いことするのよ!フランペッ!!」

「別に何もしてないわよっ。そいつが勝手に転んだだけでしょ」

「なんですってッ!」

「ブイブイッ!」

プリンちゃんとイーブイはフランペちゃんに対して掴みかかりそうな勢いだったため、慌てて止めに入ると、異変に気づいたビッグマムの家族たちがこちらに集まり始めてきた。


しかも最悪な事にフランペちゃんは私が勝手に転んだと話始めている。

ウェディングドレスを汚し、足を挫いた私に対して冷ややかな視線を感じる。

だけどそんな中でプリンちゃんは私を必死に庇ってくれた。
泣きそうになってしまう。

『プリンちゃん・・・』

「大丈夫よ#name1#ちゃん!今新しいドレスを用意するわ」

「あらあら?式はもう始まるのよ?まさかカタクリおにー様とママを待たせる気?」

「フランペッ!あんたねェ!!」

『大丈夫だよ。プリンちゃん』

「ユウナちゃん・・・」

精一杯微笑むとプリンちゃんは目に涙を溜めて泣き出してしまった。

『泣かないでッ!プリンちゃんッ』

「だってッ!!」

時間が無いのは確かだ。
今から着替えに行けばマムの機嫌を損ねる可能性がある。
機嫌が悪くなったマムは恐ろしい。

「どうするんだいユウナちゃん。私のミラミラの実の能力で衣装部屋へ案内できるけど」

異変に気づき、駆け寄ってきたブリュレさんは不安そうに声を震わせていた。

「今すぐ着替えるべきだ」

「バカオーブン!時間が無ェだろ」

オーブン様とダイフク様も言い合いを始めてしまい、クラッカー様はというと・・・フランペちゃんの頭を掴み説教をしていた。

『大丈夫です。私にはポケモン達がいるから!出て来てディアンシー!アシレーヌ!』

「ディア」

「しゃなるん♪」

2つのモンスターボールを宙に投げると光と共にディアンシーとアシレーヌが姿を現す。
突然現れたポケモンに皆驚いていた。

『イーブイもよろしくね』

「ブイブイッ!」

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