
※カタクリ視点
ビッグ・マム海賊団のナワバリに侵入してきた奴等を艦隊で沈めると歓声が上がる。
ホールケーキアイランドに着く頃には、陽がとうに沈み辺りは暗闇となっていた。
だが、ホールケーキ城には未だに明かりが灯っている。
不思議に思い、城の中へと入ると何やらペロス兄が騒いでいるようだ。
いつも冷静で周りを見ている長男が。
と思って見ているとおれの存在に気づいたペロス兄は笑顔で眼が眩む程の宝石を見せてきた。
「・・・なんだこれは」
「稀少なピンクダイヤモンドだ」
目を見張るほど美しい。
神秘的な薄紅色の輝きが世界中の人々の心を虜にするだろう。
「この巨大なダイヤモンドを加工し、オークションに掛ければ数十億ベリーはくだらないはずさペロリン♪」
「・・・これを一体どこで?」
「くくくく、魔獣使いから貰ったのさ」
魔獣使いが従える魔獣が稀少なピンクダイヤモンドその物だったと聞く。
それが本当なら、この先アイツは大金を生み出す道具としか見られなくなる。
だが、戦闘力を身につければ更に奴の存在が必要となるだろう。
話を聞いたおれは自室に帰り、椅子に腰掛け疲れを癒した。
1人か信頼し合える兄妹の前でしか外せないファーを外すと少年時代に蔑まれてきたゆえに隠してきた自分の口元に触る。
鬼か虎のような禍々しい牙が生えている。
この姿を見たらきっと怖がり気味悪がるだろうーーー。
部屋に用意されていた巨大なドーナッツを頬張る。
ストレスから解放される貴重な時間を堪能した。
明日はあのルーキーと海に出る予定をしている。
どれ程の実力者か見極めさせて貰うぞ。
そのままソファに横たわり眠りについた。
ーーー翌朝。
魔獣使いを迎えに行くためにプリンの部屋に入るとプリンとニトロ、ラビヤンはベッドで寝ており、もう1人の少女は既に身支度を整え、花瓶に一輪の花を活けていた。
あの花はーーー。
『・・・っ!おはようございます!カタクリ様ッ』
「あぁ、・・・その向日葵は」
『鞄の中に萎れた状態でありました。大切な人から貰った花だとは思うんですが』
「思い出せないか」
『・・・はい』
向日葵の花言葉は確か、憧れ。
貴方だけを見つめる。
恋人にでも貰ったのだろう。
だが、記憶を失い想い人も覚えていない。
「・・・迎えに来た。行くぞ」
『はい!・・・行ってきますプリンちゃん』
少女はホルダーに付いているボールと鞄を手に取り、小さな声でプリンに声を掛けたが、プリンはすやすやと眠りについていた。
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