今日はなぜか凛の機嫌がすこぶる悪い。話しかけても無視。ひたすら無視。とにかく無視。最終手段で凛が好きないちご味のシロップがかかかき氷を上げも無視だった。なんで!?なにをそんな怒ってるの!?

「ねぇ、裕次郎」
「んー?」
「なんで凛あんなに機嫌悪いの?」
「さぁな。俺もしらねー」
「私何かしたかなぁ」

裕次郎も知らないのか…ほんとに凛の機嫌はいつ直るのだろう。もしかして永四郎に無理矢理ゴーヤーでも食べさせられたの?…いや、でもゴーヤーでそんなに不機嫌にならないよね。凛が分からない!

「名前」
「なに?」
「そんなに気にしなくても凛の機嫌はすぐ直るって」
「その根拠は」
「ねーけど」
「なんでよ!期待したじゃん!」

私がぷんすか怒っていると裕次郎は「根拠はないけどなんとなくそんな感じがする。だからそんなに気にすんな」と言って髪をぐしゃぐしゃにする。

「ちょっと!裕次郎みたいなもじゃもじゃになっちゃうじゃん!やめてよ!」
「もじゃもじゃって俺の髪のどこがもじゃもじゃなんだよ!」
「全部」
「とっ…とにかく俺の髪はもじゃもじゃなんかじゃねーからな!じゃあな!」

バタン!とドアが閉まる。あちゃー…怒っちゃったかな?ていうか私凛も裕次郎も怒らせちゃってなにしてんの!いや、凛の不機嫌の理由は知らないけど。

裕次郎が出ていってしまって、未だに機嫌の悪い凛と部屋で二人っきりになってしまった。どどどどどどうしよう…!知念くん!助けて知念くん!だけど、そんな私の願いもむなしく知念くんは来なかった。あぁ…知念くん…。

「なぁ」
「え!?今…凛、喋った…?」
「俺以外に誰がいるんだよ」
「ですよねー」
「なんで俺が怒ってるのかマジでわかんねぇの?」
「はい…すいません…」
「ハァ…」

溜め息をついた凛が立ち上がる。え!?なに!?私どうなっちゃうの!?まだ死にたくないよ!!もうこの際永四郎でもいいから助けて!!凛が怖いよ!!もしかして殴られ…え?私の頭に凛の大きい手が乗ってるんだけど…どういうこと?

「なんか、名前見てたら怒る気なくした」
「えぇ!?それは喜んでいいことなの!?」
「たぶん」
「そ…そっか」

よくわからないけど、とりあえず凛の機嫌は直った…?ってことだよね!凛、笑ってるし!終わりよければすべてよし!うん!そう!

「ねぇ、凛」
「ん?」
「なんで機嫌悪かったの?」
「今このタイミングでその質問するか?普通」
「いいじゃん。知りたいんだもん。ねぇ、なんで?」
「それは…名前と裕次郎がイチャついてたからだろ」
「私と裕次郎が!?いつ!どこで!何時何分何秒!地球が何回まわったと…「さっき、頭ぐしゃぐしゃって、してただろ」
「え!?そんなこと!?」
「そんなことってお前なぁ…」
「いひゃいいひゃい!ひょっぺつねりゃないで!」
「…」
「ふぅ…痛かった…。じゃあつまり凛は裕次郎にヤキモチ妬いてたってこと?」
「うっ…うるさい!もうその話はいいだろ!」
「うわあー!凛が照れてるとこ初めて見たー!」
「名前!」
「いひゃいいひゃい!ごめんなひゃい!」

凛がつねりまくったせいでほっぺたが真っ赤だ。まだじんじんして痛い…。いつか仕返ししてやる!でも今回の件はお互い様ってことで、いいか。私の方がだいぶ罪は重いけど。


二文字のおとしもの




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