外気に触れ冷え切った体は、あたたかな部屋では痒ささえ感じる。帰宅してコートを脱ぐのも後に回し、両手をこすり熱をつくる。しばらくすればお風呂からあがってきたスモーカーが、訝しげにこちらをみていた。
床に座ったまま彼を手招きし、少しだけ温まった手を風呂上がりの首元に押し付ければ、冷てぇ、とにらまれる。気にせずにそのままくっつけて熱を奪っていると、諦めたようにため息をつかれた。そしておもむろに私の足をつかむ。

「足、こっちによこせ」
「え、あ、はい」
「これも脱げ」

そういってストッキングを引っ張ろうとするから、伝線する前にと急いで足をだす。その抜け殻をスモーカーは放り投げて、私の足を 両手で包み込む。つめてぇなとあったかいねがかさなって、顔を見合わせて少しだけ笑った。ペディキュアがすこしはがれて、一日中歩いたから少し蒸れていて、ということには目をつぶる。
でもこの体勢では手が温められない。どうしようかと悩んで、いい方法を思いついた。
コートとスーツのジャケットを脱ぎ、スモーカーにあぐらをかかせて足の隙間に座り、私の足をつかむ手に、自分の手を重ねる。

「よし、これで全身あったまるね」
「早く風呂入ればいいだろうが」
「だって動きたくないんだもん」
「じゃあずっとここにいろ」
「え、『ずっとおれの腕の中にいろ』ってこと?やだ照れるなぁ」
「てめぇはアホか」

少し調子にのれば足をく すぐられたから、丁重に謝罪する。
でもそのあとに、まぁ悪くはねぇかもな、なんて言ってくれちゃうわけだから、私が調子にのってしまうのも無理がないことなんだ。口元が緩むのが抑えられない。

「何にやけてんだ」
「べつにー」

筋肉がついてよく締まった体に全身を預けて、トクトクという心音に耳を傾ける。一日の終わりに、最高の時間だと思いませんか。

さええる夜なのだから




tytle/花畑心中
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オルゴール恋歌のおんちゃんへ、7000hitリクのスモーカーです。遅くなりすぎてすみません・・・。しかもリクエストのメール、前の携帯とともに消えて、おんちゃんとスモーカーってことしか覚えてなくてこういう結果になりました、ごめん(><)言ってもらえれば書き直しします!
リクエストほんとにありがとうございました!!これからも仲良くしてください^^




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