日進月歩 | ナノ
入部(1/5)

「この2人が今日からマネージャーになる」

「野田柚季です!えっと…ば、馬車馬の如く頑張りますっ!!」

「(馬車馬!?)…三浦絢。出来る限りのことはしたいと思います」

「「宜しくお願いしまーす!」」


これは数分前…声を揃えぺこり、と頭を下げる2人と何やら機嫌の良さそうな榊。

整列した部員達の中に、目を見開いている鳳と唖然としている日吉を見つけ
柚季と絢は見つからないようにこっそりと笑みを浮かべたのだった。


「……うん、やって貰いたいことは大体これぐらいかな」

「なるほどねー(想定内ってとこかな)」

「ま、習うより慣れろって言うだろ。精々頑張るんだな」

「うん!じゃあ早速「待ちなさい」タロなーに??」

「お前達、チャックはきちんと上まで閉めなさい」


どうやら2人のジャージの着方が気にくわない榊は眉間に皺を寄せている。
そんな榊の言葉に2人は勿論のこと、跡部と幸村まで呆れた表情を見せた。


「何か息苦しいし無理。てかちゃんと中にシャツ着てるし」

「それぐらい我慢しなさい。ほら、裾も折らない」

「えー!?ちょっとぐらいいいじゃん!?」

「駄目だ。男子が大勢いる前で無闇やたらと肌を晒すんじゃない」

「…わー大変!スコアの付け方覚えなくっちゃ!(タロどんだけー)」

「世界一美味しいドリンク作っちゃうんだから!(逃げるが勝ちぃ!)」


そう言い早く、と急かす榊を思いっきり無視してそそくさと逃げる2人。
言われた通りにジャージを直す気が全く無い様子に榊の口から溜息が零れた。


「……榊まじやばくね?」

「あぁ、思ったより重症じゃな」


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