日進月歩 | ナノ
紹介(1/5)
4限目終了のチャイムが流れ、古文教師が教室を出て行った。
柚季はいそいそと教科書やノート等を机の中へ押し込み
通学鞄とは別に持って来ていた手提げ鞄を手に立ち上がった。
「柚季そんな急いで何処行くんだよ?」
「お昼ご飯!絢と食べる約束してるんだーっ!」
「絢?あぁ…一緒に転校してきた奴か」
「うん!後でブンちゃんとニオにも紹介するね?行ってきまーす!!」
そう言い教室を出ようとしたが待てよ、と丸井に腕を掴まれる。
「ブンちゃん?(ぶ、ブンちゃんに腕掴まれたぁあ!!)」
「俺も一緒に飯食う」
「…うんっ!一緒に食べよ!!(ブンちゃんと絢とお昼ご飯…幸せじゃー)」
「っし!んじゃ、行こうぜ」
「おーう!あ、ゆっくり食べるのにお勧めの場所ってあるー?」
「それなら丁度いい場所があるぜよ」
元気良く頷く丸井と俺も交ぜんしゃい、と席を立つ仁王が加わり
柚季は嬉しそうな笑みを浮かべて今度こそ教室を後にした。
「(ふっふっふ!ブンちゃんにニオに…絢、すっごく驚くだろうなー)」
「まさかお前まで付いて来るとは思わなかったぜ」
「俺だけ仲間はずれにするなんてブンちゃんは酷い男じゃ」
「人聞きの悪いこと言うなっての」
後ろで言い合っている2人に気付かず、柚季は隣のA組の扉を開けた。
「ハニィイイーー!!!」
「残念やのう…柚季にはもう決まった相手がおるらしい」
「何かおかしいと思うの俺だけか?」
<< BACK >>