日進月歩 | ナノ
入学(1/5)

「えぇえー!?絢と違うクラスなのー!?」

「そんな…!そんな殺生な…っ!!」


立帝の職員室、目の前には榊ともう1人穏やかな笑みを浮かべている男性教師。
榊によって淡々と告げられたクラス発表に柚季と絢は声をあげる。

他に誰1人として知り合いの居ない此処で離れ離れになってしまうのは
やはり不安を感じてしまうもので、自然と表情が険しくなってしまう。


「絢が入るA組の担任は私、そして柚季が入るB組の担任は
 こちらの村井先生だ。隣の教室なのだからいつでも会えるだろう?」

「確かに隣だけども…!(しかも、うちの担任タロかよ!!)」

「だけども…!(そういう問題じゃないんだよタロォー!)」

「野田さん、これから宜しくお願いしますね」

「宜しくお願いしまっす!(ふぉー!い、癒しオーラが半端無いよ!!)」


榊に紹介され口を開いた村井の柔らかい物腰と優しい話し方に
柚季は勢いよくお辞儀をし、絢は羨ましそうな視線を向けている。


「こうしてうちの(2度目の)高校生活は早くも終わりを告げたのだった」

「ま、まだ終わってなんかないぞ!絢隊員!」

「……柚季隊長…でも…」

「柚季達の…柚季達の極秘任務を忘れるんじゃなぁーい!」

「そうだ…うちには素敵キノコを捕獲する任務があったんだった…!」

「そうだよ!そして萌え萌えするんだぞ!萌え萌え!!」

「…よく分からないがもう時間だ。付いて来なさい」


苦笑する榊と変わらず微笑んでいる村井に続いて職員室を後にした。
先程の沈みっぷりは何処へやら、揃って楽しそうな笑みを浮かべている。


「柚季、お昼は一緒に食べよーね!」

「もちのろんだぜぃっ!」


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