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朝、起こされて最初に聞いたのは「***がいない」と言う事だった。
セバスチャン曰く、起こしに行ったら既にベッドは裳抜けの殼だったらしい。
起き抜けの回らない頭で***を探すように命令を出し、朝食を摂り仕事を始める。




「…見つかったらすぐに教えろ」
「イエス、マイロード」




会社の書類を黙々と片付けて何分経ったのだろうか。
何時までもノックされる事のないドアを眺めていたら、微かに子どもの泣き声が聞こえてきた。

―コンコン

「坊ちゃ「入れ」

思った通り。
部屋に入って来たのはセバスチャンと……
セバスチャンに手を引かれて泣いている***だった。

「…何処にいたんだ?」
「庭の木の上に」
「は?」

耳を疑った。木の上?
一体何を考えていたんだ?

「詳しい事は彼女から聞いてあげてください。けれど…」

チラッとセバスチャンは視線を***に移す。

「まずは泣きやんでからだな?」
「と言う事です」



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