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「#エロ」のBL小説を読む
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「外出用の服も買った、来客時の服も何とかなる。後は…」
『まだあるの?!』

指折り数えて歩くシエルに***は勘弁してと言わんばかりの声を上げる。
その二人の後ろを歩くセバスチャンは荷物を抱えたまま苦笑いを浮かべている。
すれ違う人は何事かと横目で見るが、当の本人達は気にしている風もない。

事の発端は、今朝フィニがシエルの杖を折ってしまった事から始まった。
「街に出るついでに***の服を買うぞ」とシエルが***を(半ば強制的に)連れ出し、行った先々の洋服店で店員が勧める服を買い続け、今に至る。

『世の中って“一張羅”は1つあれば十分じゃないのー?』
「貴族は一張羅がたくさんあったほうが良いんだ」
『ぶー。あ、シエル!あのお店行きたい!』

ピッと***の指差す先には、この街で一番大きなおもちゃ屋。
店のウィンドウには様々なおもちゃがディスプレイされている。
その中でも一番存在感があるものがビターラビット。

「…セバスチャン、例の物は?」
「昨夜入荷したと連絡が」
「そうか。***、行くぞ」
『え、うわ、やったぁ!』

何処にそんな元気があったのかと思わせる走りで***はおもちゃ屋にかけて行く。
そんな***から少し遅れてシエルとセバスチャンも後を追った。

「子どもだ…」
「坊ちゃんも子どもでしょうが」
「…うるさい」
  


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