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「…ンフッ
ヤる気萎えちゃったから、***ちゃんだけ殺って、後は見逃してあげようと思ってたのに…」
再びグレルが死神の鎌を振り回し始める。
「そんなに死にたいなら先に二人まとめて天国にイカせてあげるワ!」
「天国ですか、縁がありませんね」
攻撃を避けそのまま後退したセバスチャンは側にあった木箱を片足で持ち上げ、グレル目掛けてそれを飛ばす。
「アタシ今機嫌悪いの、手加減なんか…!?」
死神の鎌で木箱を壊したグレルの視界からセバスチャンが消えていた。
直後、死神の鎌にわずかな重みが加わる。
「!!」
死神の鎌に下りたのはセバスチャン。
グレルは繰り出された蹴りを間一髪の所で避けた。
「ちょっ…アンタ今アタシの顔狙ったでしょう!
この人でなしッ!」
「でしょうね
私はあくまで執事ですから」
騒ぐグレルに対し、セバスチャンは小さく笑みを浮かべた。
「ふんっ
悪魔が神に勝てると思ってんの?」
「どうでしょう
戦った事がないので分かりませんが…
坊ちゃんが勝てと言うなら勝ちましょう」
「そこのガキと何があったのか知らないケド随分な入れ込みようじゃない
妬けちゃうワ。
あ、妬けると言えば…もう一人いたわネ」
一瞬だけグレルの視線がセバスチャンから外れる。
そしてセバスチャンがその意味を理解する前に、グレルは地を蹴って飛び上がった。
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