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「#エロ」のBL小説を読む
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(2/6)

ガラガラと馬車が走る。
その中で***は状況が飲み込めないでいた。


【うーん…じゃぁ…マダム】


そう言っただけなのに、なぜ今こうやって、馬車に乗っているのだろうか?
乗り込む前に「本屋に行くわよ」と言われたけれど…それは関係ない気がした。

「***、着いたわよ」
『あ、はーい』

マダムの声で我に返り、***は慌てて馬車を降りる。
降りた先は昨日行けなかった本屋、思わぬ場所に***の目がキラキラと輝く。

『本屋さん!』
「ほら、何か探してるんでしょ?見てらっしゃい」

マダムの言葉に***は首を何度も縦に振ると、そのまま本屋に消えて行った。

「あの子、本当に本が好きなのねぇ…」
「奥様も、では無いのですか?」
「私は…少し違うわ」

どこか遠い目をしながらマダムは呟く。

「奥様…?」
「…さっ!私も医学書入って無いか見て来なきゃ!
 グレル!ちゃんと馬車を見ておくのよっ!」
「は、はいぃっ!!」





その後、二人が戻って来たのは30分以上経ってからだった。

「何の本を買ったの?」
『え、その…"自称師匠の私が教える護身術"って言うの』

このシリーズが好きなの、と本の入った袋を抱え、***が言う。

「またスゴいタイトルね…」
『なんかね、夜道の痴漢から突然の強盗まで!って書いてあったの!』
「そ、そう…」

痴漢はともかく、強盗なら逃げた方が良いんじゃないの?
そう思いながらもマダムは口に出さないでおいた。

「そうだわ。***、いつかウチにいらっしゃい。シエルの所とはまた別の本があるわよ?」
『い、良いの?』
「えぇ、勿論よ」
『やったぁ!あ…この後はどこかに行くの?』

嬉しそうにガサガサと、本をビターラビットのリュックにしまった***が尋ねる。
その言葉に今度はマダムが嬉しそうな表情を見せた。

「買い物に行くのよ、洋服を何着かね。あ、私のじゃないわ。***のよ」
『へー……えっ!?』
「聞いたわよ〜?"一張羅は1枚あれば十分じゃないの?"ですってね」
『な、何で知ってるの!?』

ニヤニヤとこちらを見ながら笑うマダムに***は動揺を隠せない。
おまけにいくら***が聞いても「さぁね」と、はぐらかされる。

「もーっ、若いうちに可愛くならなきゃ!ねぇ?」
『っゃ!マ、ダム?どこ触って…』
「腰。あんたコルセット無くても、それなりにくびれてるわねぇ」
『〜っ!』

まさか中でプチセクハラが行われているなんて、誰が思うだろうか?
色々騒がしい車内をよそに馬車は町中を走り続けた。


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