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「さて、すでに警察には連絡しておきました
じき到着するでしょう」
「なら長居は無用だな、僕らが居ては猟犬共もいい顔をしないだろう」
「そのお姿ではなおさら…ですしね"お嬢様"」
クスッと笑うセバスチャンの洋服を***が引っ張る。
「***様?どうなされました?」
『あ、あの…この人、シエルに似てるけど…執事さんのお知り合いなんですか?』
そう言い***が指差したのは、当然ながらシエルだった。
「なっ…」
顔を引きつらせるシエルと反対に、笑いを堪えながらセバスチャンは***の肩に手を置いた。
『?』
「***様、こちらは坊ちゃん御本人ですよ?」
『う、嘘っ!!だって…こんなに可愛い女の子なのに?』
「……」
『シエル…ご、ごめんね…で、でも…可愛いよ?その格好』
本当に女の子みたい、と***が笑う。
シエルは恥ずかしさやら、ショックやらで顔を赤くした。
「とにかく!切り裂きジャック事件はこれで解決だ!
随分とあっけなかったがな…」
シエルの言葉にセバスチャンがうっすら微笑む。
その様子に***は首を傾げるが、近付いて来る警察の音に気を取られて行った。
「どうやら警察が到着した様ですね」
『執事さん私、下で待ってます』
「分かりました。後でお迎えに上がります。・・・くれぐれもお気をつけて」
『はいっ』
「おい、***!?」
シエルが物を言い切る前に、***は近くの窓から外に飛び下りてしまった。
「あいつは…ふぁ!?」
「では私たちも参りましょう」
シエルを片手で抱き上げ、セバスチャンもその場を離れ、近くの屋根に飛び移った。
(今誰か居た気がしたんだけど…気のせいかな?)
二人が消えた屋根を見ながら、エリザベスは目を擦った。
そして翌朝。
届けられた朝刊が世間を再び賑わせるのだった……。
闇オークション END
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