「そうと決まれば直ぐに行こうじゃないか伯爵！！」

今までの雰囲気はどこへ行ったのか。
まるで「少し遊びに行こうか」のノリの劉。
その彼をマダムが引き止め、事件の起きた場所を聞くが帰って来た答えは


「なーんだーぁ
　じゃぁその辺の人に聞いてみないとダメじゃないか」


……と言う事。
あんな前フリをしておきながら、全く場所を知らなかったらしい。
当然、その言葉に怒るマダム。

「落ち着け
　誰も現場に行くとは言ってない」

騒ぐ二人を既に疲れた様子のシエルが制止する。

現場に行っても野次馬だらけで調査も出来ず、おまけに警察には良い顔をされない。

「伯爵…まさか…」

何かに気がついたらしい劉。
それにシエルも「そのまさかだ」と返す。

「僕も出来るなら避けたい道だがやむをえん
　こういう事件に奴ほど確かな情報を持っている奴はいないからな」

嫌そうに、げんなりとシエルが言った。


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