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『あぁもぉ。こんなにしちゃって』
机の上にゴロリと転がる無残な姿になった伯爵像をつつく。
犯人のシエルは食べるだけ食べると満足して眠ってしまった。
…口端にチョコを付けながら。
『もう少し綺麗に食べれば誤魔化せたかもしれないのにぃー
何でこんな食べ方するかなぁ』
「全くです」
『!!』
慌てて振り向けば、そこにいたのはセバスチャン。
彼が持って来たワゴンを見て***は"おやつの時間"の存在を思いだした。
『あー、えっと、その…』
「お話は後でゆっくりお聞きしますよ」
ニッコリとセバスチャンが微笑む、が。
いつもと同じ微笑みの筈なのに、何か後ろに黒いものを感じる。
と言うか黒いものが一瞬見えたような気がした。
(どうしよう!…なんか怖い!)
そんな事を思っている***の横を通り過ぎ、セバスチャンは開けっ放しの窓を閉める。
そして一瞬不敵に笑ったと思いきや……
「坊ちゃん!起きなさい
つまみ食いはいけないとあれ程申し上げたでしょう!」
「っ!!?」
……ぎゅぅぅぅとシエルの頬をつまみ上げた。
『い、痛そう…』
思わず自分の頬を押さえて様子を伺うが、こっちを向いたセバスチャンと目が合ってしまった。
背後に何かを漂わせ、こっちに近づいてくるセバスチャン。
シエルは痛みに悶絶していて助けてくれる見込みは無い。
「さぁ、お話を聞かせて頂きましょうか?」
『ひ、ぁっ…』
直後、***の声にならない声が響き渡った。
チョコレート END
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