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『えっと…ごめんなさい』
(ファンシーな世界になった)広間でエリザベスにペコンと***は頭を下げた。
彼女にはセバスチャンが「昔の嫌な事を思い出して混乱されたんですよ」と軽く説明してくれた。
「気にしないで!でも…」
『でも?』
ニッコリ笑うエリザベスに***思わず視線を反らす。
彼女の後ろにいる何か言いたげなシエルをセバスチャンが諦めろと抑止しているのだ。
「実はこんな素敵な広間になったんだから、シエルが今夜ダンスパーティを開いてくれるの!あなたも参加してねっ!」
『…ダンス……ええぇ!?』
「おい、***は…!」
「さ、まずはあなたを可愛くしなきゃ♪セバスチャン、シエルをかわいくしてね♪」
「かしこまりました」
深々とエリザベスにお辞儀をするセバスチャン。
***は状況を理解する前に再びエリザベスに襟を掴まれ、引きずられる形で部屋から出て行った。
「エリザベス!?人の話を聞けぇぇぇ!!」
……残されたシエルの叫び声だけが部屋に響いた。
「うーん、黒に黄色…いっその事黒ずくめ!…それはちょっとねぇ…」
なかなかイメージが決まらないのか***をイスに座らせ、その周りをウロウロするエリザベス。
さっきから思い付いては取り消して、また考えるの繰り返しだった。
『私今の服でもい「それじゃダメ!」うぅっ』
「ちゃんと可愛くしなきゃ意味がないの!分かった!?」
『………うん』
迫り来るエリザベスに***はそう答える事しか出来なかった。
(シエル何してるかなぁ…)
(あ…おやつの時間なのにこれじゃぁ食べれないな…)
座っているだけの***は足をブラブラさせながらそんな事を考える。
けれどイメージを固めたエリザベスによって、すぐにイスから引きずり落とされた。
「ふーふん♪…あら?これは」
チャリッとエリザベスの指にボールチェーンが絡まる。
手繰り寄せれば***の名前を記したタグに繋がっていた。
「なぁにコレ?」
『だ、大事なものなのっ…』
「ふぅーん」
外されやしないかと***は冷や冷やしていたが、エリザベスは予想に反してタグを手から離した。
「襟元が隠れる服にしなきゃね」
『え?』
「だって見せたらかっこ悪いもん」
大切なんでしょ?それ、とタグを指差し笑うエリザベス。
『うん!』
***も笑顔でそれに答えた。
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