落ちた先は蒼 | ナノ
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「し、成実っ!!!」

まさに青天の霹靂。
今、要は現状を整理するのに頭が一杯一杯だった。

あの後・・・つまり政宗が立ち去った後。
どこか成実がソワソワし始め、どうした?と声をかける前に小十郎がやって来て。
直後に成実が宙を舞った。


「成実、テメェ…!“そろそろだ”と俺が言ったの忘れやがったのか?!」
「ちょ、小十郎、いきなりは酷い!」
「アァン?口答えか?」
「ご、ごめんなさい!だから極殺は勘弁・・・!!」


とにかく庭で平謝りの成実と、明らかに様子の違う小十郎。
いつも綺麗に整えられているはずの前髪が崩れていて、どう見てもヤクザそのものだ。

「ぅ・・・」

どちらに声もかけられず、かと言って立ち去るにも、腰が抜けて動けない。
と言うか立ち去ろうにも、小十郎に目を付けられそうで半端なく怖い。


「大体、成実てめぇ・・・」
「待って小十郎!要が、要がいるから!!」

土下座状態で成実がこちらを指差す。
そのことで視線と小十郎もこっちを見る形となった。

「アァ?なっ・・・要いつから居たんだ?」
「さ、最初から・・・」
「チッ・・・すまねぇな。とんでもねぇ所を見せた」

乱れた髪の毛を上げながら、小十郎が謝る。
とりあえず修羅場は強制終了したらしい、まずは一安心だ。

「あの、どうしたんですか?」
「政宗様がな・・・また城を抜け出された」
「あれ?さっき野暮用って言ってたのに」
「何だと?」
「え、あ、さっきココに来て、武装してるから戦?って聞いたら“野暮用だ”って…。なぁ、成実」

未だに庭で正座状態の成実にふれば、彼はぎこちないながらも首を縦に振ってくれた。
そして改めて小十郎を見れば、何かを考えているようだった。

「片倉、さん・・・?」
「要、すまねぇが暫く畑を見ていてくれるか?」
「え、構わないですけど」
「悪いな、お前なら安心して任せられる」

政宗の野暮用が何故、小十郎が要に畑を預けることに繋がるのか。
要が考えている間に小十郎は成実と何かを話しこんだ後、来た道を戻っていった。
その様子は先ほどの政宗を髣髴とさせる。

「成実、何があったんだ?」
「あー…説明するから、もう少し待って・・・」

正座から成実はぐったりと地面に寝そべってしまう。
どうやら大分疲れたようだった。


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