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お披露目@おまけ
(3/3)

「・・・旦那ぁ、あれってどう見える?」

「どう、とは?ただ凛殿がお館様にお酌をしているだけではないのか?」

「あ、うん・・・、旦那に聞いた俺様が間違ってた」


むぐむぐと口いっぱいに飯を頬張りながら首を傾げた幸村に、佐助ががっくりと杓文字片手に項垂れる。
本人達に言えば片や烈火のごとく怒り、片や豪快に笑い飛ばすだろうから黙っているが、あまりにも雰囲気が良すぎる。
おまけに凛は今着飾っているために見ようによっては、遊女と行かずとも禿(かぶろ)に見えないことも無い。


(・・・他国にお館様の弱み、なんて思われたら如何しよう)


見かけだけは只の小娘、攫うこと等容易いだろう。
間違ってもあの体つきは武を嗜むそれではない。
・・・最も既に1度未遂で攫われているが。


(ああ、でも大丈夫か)


よくよく考えれば、凛は土地神である。
本人曰く、甲斐・信濃の国から出られないらしい。
なので他国に連れ行かれるという心配は無い。
更に「人間相手じゃ死なない」とまで言い切っていた。


(うん、やっぱり大丈夫だ)


半ば本気で、半ば面倒ごとを増やしたくないという現実逃避から佐助は脳内議論に終止符を打った。



 


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