05
「・・・へ?」
―だーからぁ!レッドがロケット団を解散させちまったんだって!
「嘘だぁ・・・」
―嘘じゃねぇよ!チャンピオンロードに行く前にレッドに会って!バトル仕掛けたときに聞いたんだからな!
間違いじゃねぇよ!と画面越しに訴えてくるグリーン。
ひとまずそれは後で確認するとして・・・
「でもいいの?電話してても・・・いまからリーグにいどむんじゃないの?」
―サツキは判ってないなぁ。次サツキの顔見るとき、おれはチャンピオンになってるんだぜ?
「・・・そうなの?」
―そうなんだよ!まぁ、でもそうだよな。こうやって話してるうちにレッドに先越されるのも嫌だし、おれ行ってくるわ
「あ、うん。行ってらっしゃーい」
―おう!じゃ、バイビー!
プツン、と音を立てて真っ暗になった画面。
グリーンは誤魔化していたけど、何となく判る。
多分・・・緊張していて、どうしようもなくなって電話してきたんだと思う。
その証拠にいつもより捲くし立てるような喋り方だった。
「おじいちゃーん。グリーンがね、今からリーグに行ってくるってー」
「なんじゃ?グリーンの奴、そんな事言っておったのか」
「うん。次わたしのかお見るときはチャンピオンになってるんだー。って」
そのまま伝えればおじいちゃんは困ったように笑っていた。
そして暫くしたら、研究所に1本の電話がかかってきた。
電話の相手はポケモンリーグから。
まぁつまりはそういうこと。
「ワシは行ってくるが、サツキは・・・」
「ううん、わたし・・・おるすばんしてる」
「そうか?その、・・・すまんの」
「なんでおじいちゃんあやまるの?だって、バトルはそういうものなんでしょ?」
「・・・そうじゃのぉ」
またおじいちゃんが困ったように笑う。
でもさっきと違って、込みあがる嬉しさを抑えきれないような笑みだった。
「・・・あやまりたい気持ち・・・分からなくはないけど、ね」
むしろ私としては、グリーンが帰ってきてたからの事を考えることが精一杯だった。
多分と言うか、間違いなく尋問は避けられないかもしれない。
「・・・でも、わたしも知ったの・・・つい最近・・・だったし」
・・・うん。言い逃れしよう、そうしよう。