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02




・・・神様は、私が嫌いなんでしょうか。


次に意識が戻った時、私は小さな女の子の姿になっていた。
・・・訂正。別の女の子として生まれ変わっていた。
本で読んだことがあるけど多分「転生」って言うものじゃないのかな?


しかも犬も猫も小鳥もいない世界に。
いるのはガーディやニャース、ポッポとか・・・ポケモンと呼ばれる生き物が住んでいる世界。
その事実を知った瞬間、締め付けられるように胸が痛んでありえない現実と相変わらず虚弱な体にほんの少しだけ絶望を覚えた。


更に追い討ちをかけるように私より1回りも年の離れた優秀な兄が大事な両親は、「療養」と言う名目で私を家から遠ざけた。
私よりほんの少し明るい紅い髪の兄は最後の最後まで反対していたけど、両親には勝てなくて。
私に何度も何度も「ごめん」と謝った。そのたびに私も「兄様のせいじゃないよ」と何度も繰り返した。


そして空が青く綺麗に澄み渡ったある日。
長老に連れられて、私はフズベの町からマサラの町に僅かな荷物を抱えて1人旅立った。







「おお、話には聞いておったよ。君がサツキくんじゃな?」

「は、はい・・・」

「そんなに緊張しなくていい。これから君が住む所なんじゃ」


マサラは真っ白の意味がある。と長老が教えてくれたように降り立ったマサラタウンは民家数軒と大きな研究所があるだけの小さな町だった。
そこで私を出迎えてくれたのがオーキド博士。世間でも有名なポケモン研究者・・・らしい。
オーキド博士はまだ緊張して固まったままの私に目線を合わせて、そのまま頭をなでてくれた。


「そうじゃ、ワシの孫とその友達が今来ておるんじゃ。良かったら仲良くしてくれんかの?」


と、私の返事を聞く前に博士は研究所の中に入って二人の名前を呼ぶ。
暫くすればバタバタと忙しない足音と、静かなマイペースな足音が近づいてきた。


「なんだよジーさん!今折角いいところだったのに・・・って誰だコイツ」

「・・・、・・・はじめまして?」


訝しげに私を見てくる茶髪の男の子と、少し遅れて来て首をかしげながら挨拶をしてくる黒髪の男の子。


「・・・うに頭だ・・・。それから、はじめまして?」


うに頭は茶髪の子に対して。
挨拶は黒髪の子に対して。

何ていうかそれが私(当時4歳)と彼等(当時8歳)の出会いだった。




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