陸奥(花柳)




「おい!ちょっと付き合え!」

道場に入ってきた陸奥さんは、私の顔を見るなりそう言った。

「え、今稽古中なんですけど」

渋る私なんてお構いなし。

「ほら早くしろ!茶屋に行くぞ。奢ってやる」

陸奥さんは私の腕を引っ張って外に連れ出した。
その顔はとても楽しそうで、それを見て私の頬も自然と弛む。

「もう。強引なんだから」

そんな彼だから好きなのだけれど。








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