世界が終わる日
「さて皆様。もし明日世界が終わるとしたらどうしますか?」
突然真面目な口調で話す悟郎に、その場にいた皆様(といっても清春と悠里の二人だけ)は驚き振り向いた。
「悟郎君、今補習中……」
「なんだってンだ、いきなりヨ!」
「だってだって〜、なんか急に気になっちゃったんだモン☆」
補習の邪魔したことを悪びれもせず、悟郎は可愛らしく笑う。
それを見ると不思議と許してしまうから、これは彼の最強武器だと悠里は思った。
「ほら、ノストラダヌキの大予言。結局はずれちゃったでしょ〜?でもいつ恐怖の大魔王サンがくるかわかんないじゃん」
「悟郎君、ノストラダムス、ね」
間違いを正すことを忘れない悠里に、「いや〜ん、センセのいじわる〜」と悟郎は笑った。
「オメーはどうすんだヨ?」
「え〜、ゴロちゃんはね〜。放送局をジャックしてコンサートでも開こっかな〜♪世界中のみんなにゴロちゃんの可愛さを教えてあげるのだ!」
「あ〜、へいへい」
聞いたオレがバカだったと言わんばかりに清春はどうでもよさそうに手を振った。
「あ〜、キヨってばひっどーい!そーゆうキヨはどうすんのさ?」
「オレェ?そーだなァ……」
手に持ったシャーペンをくるくると回しながら清春は考える。
そして悠里を見てニヤリと笑った。
「オレ様はブチャに最っ高の悪戯をしかけてやっかなァ」
「清春君!悪戯のこと以外考えれないの!?」
シシシと笑う清春とそれに怒る悠里。
そんな二人のやりとりを悟郎は楽しそうに見つめた。
世界が終わる、最後のときまで
(一緒にいたいんだって、素直に言えばいいのに)
2008/01/11