エンドロールの楽しみ方



今日は南先生と映画デート。
誘おうと思ってから二週間ほどかけてやっと言え、OKをもらった。
付き合いはじめとはいえ、これは情けないと自分でも思う。

内容は、世間で大人気の大作ファンタジーを映画化したもの。
冒険がメインだが、その中にも友情や恋愛が折り込まれていて、感動をよぶものだった。
でも正直、隣に座ってる南先生を意識しすぎて、あまり頭に入らなかったな。

「もうエンドロールか……。どうする?出る?」

最後まで観るのが制作側に対する礼儀だが、彼女に退屈な思いをさせたくない。

「あ、できれば最後までいたいんですが」


まわりがチラホラ席を立つ中、俺たちは二人座っていた。

「最後までいないと申し訳なくて……でもこれ長くて暇なんですよね」

照れながら苦笑って言う南先生。
なんだか急に愛しさがこみあげてきた。

彼女の唇の位置を指で確かめ、口づけをおとす。
南先生は驚いて、俺だって正直頭の中パニックだ。

するとすぐに先生がキスをねだってきた。
可愛すぎる。
きっと今、俺真っ赤だ。
暗闇でよかったと心底思う。

暗い中、誰にも見られないように、こっそりとキス。



「こんな楽しみ方もあったんですね」



唇をはなすと、南先生は恥ずかしそうにそう呟いた。







2007/12/17
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